1926年に初代モデルが発表されたロレックスの「オイスター」。100周年という記念すべき節目を迎える今年、アニバーサリーモデルとして「オイスター パーペチュアル 41」が発売された。
オイスターケースとはなにか
ねじ込み式のベゼル、裏蓋とねじ込み式リューズを組み合わせた、ロレックスの防水性を備えたオイスターケース。いまや腕時計のスタンダードとなったこの構造のなにが画期的だったのか。それは1920年代に腕時計の可能性を切り拓いた先駆性にある。それまで雨や汗、ホコリなどに弱く壊れやすい装飾品だった腕時計を、高い防水性と防塵性によりいつでもどこでも着用できる“ツール”へと変革。仕事や余暇などのシチュエーションを問わず常に身に着け共に時間を刻んでいく相棒となった腕時計は、多彩な装飾やバリエーションを加味することで着用者の個性を表現する唯一無二のアイテムになったのだ。
現代においても私たちが腕時計へと向ける眼差しや想いは、オイスターケースという発明なくしてはありえなかったといっても過言ではない。まさに腕時計の歴史と概念を不可逆的に決定した画期的な出来事だったのだ。1931年にはリューズを手で巻き上げる手間を減らす、両方向回転ローター式自動巻き機構「パーペチュアル」の特許を取得。現行コレクションにおいてもほぼすべてのモデルにオイスターケースが受け継がれていることから、単なる技術ではなくロレックスにおける哲学そのものともいえる。
シンプルかつ洗練された高い完成度を誇る「オイスター パーペチュアル」。100周年のアニバーサリーモデルは初代モデルにリスペクトを込めつつ、新たな進化を遂げているのにも注目したい。
「オイスター パーペチュアル 41」はイエローゴールド製のベゼルとリューズにステンレス・スチールブレスレットを組み合わせた「イエローロレゾール」製で100周年を象徴するディテールがみてとれる。リューズにはクラウンマークの下に数字の100を刻印。5分間隔で刻まれたミニッツトラックの四角形およびブランド名にはブランドカラーであるグリーンが使われている。時分秒針とインデックス、クラウンにはイエローゴールドが用いられ、サンレイ仕上げのスレート文字盤とのコントラストが効いた仕様となっている。
「オイスター パーペチュアル 36」は大胆な“ジュビリーモチーフ”が華やかに文字盤を彩る一本だ。「ROLEX」のアルファベットが幾何学的に並び、複雑でポップな印象を醸し出すダイヤルは、10色のラッカー塗料を使ったパッドプリントである。すべての色を一度に塗布するのでなく、1色ずつ順番に塗り重ねてダイヤル全体の調和を図るという丹念な製造工程を経ているのが特徴だ。


オイスター パーペチュアル 34 / 自動巻き、18Kエバーローズゴールドケース&ブレスレット、ケース径34㎜、パワーリザーブ約55時間、100m防水。¥5,650,700(予価・今夏発売予定)
「オイスター パーペチュアル 28」と「オイスター パーペチュアル 34」はそれぞれ18Kイエローゴールドと18Kエバーローズゴールド製タイムピースだ。特筆すべきはケースとブレスレットに施されたサテン仕上げ。貴金属にサテン仕上げが用いられるのはロレックス史上初のことで、ポリッシュ仕上げのドームベゼルとの組み合わせが金属の質感と美しさを強調する仕上がりとなっている。イエローゴールドモデルには新色のグリーンストーンカラー文字盤が組み合わされ、3・6・9時位置のアワーマーカーには天然石のヘリオトロープがセットされている。一方でエバーローズゴールドモデルは新色のブルーストーンカラーダイヤルを備え、濃淡が美しいデュモルチェライトがアワーマーカーに採用されている。
これらの新モデルに共通しているのは、2026年より、さらに強化された「Superlative Chronometer」認定であること。もともと厳格に定められていた防水性能、自動巻き、パワーリザーブの検査項目や平均日差-2~+2秒以内という驚異的な高精度を補完するために、「耐磁性」「信頼性」「持続可能性」の3つの新しい検査基準を追加。設計および製造の全工程において数百ものチェックと検証をパスしなければならない、極めて高性能な仕上がりとなっている。
100年にわたって受け継がれているオイスターケースという発明。その信頼性は1世紀という歴史を経ても変わることがない。むしろ100周年をたたえる新モデルから見えてくるのは、精度と時計を身に着けることに対する飽くなき探究心だ。どのモデルも特別な意匠で貴重な一本となるのは言わずもがな。腕時計の歴史そのものを体現し、未来への可能性さえ想起させてくれる特別な意味合いをもつタイムピースだ。