東京・赤坂の「ANAインターコンチネンタルホテル東京」が、今年開業40周年を迎えた。これを記念し、開業当初から愛され続けるホテル内のレストランにて、“新旧が出合う”をテーマにしたスペシャルメニューが提供される。
森ビルが大規模都市開発を進めたアークヒルズの一翼を担う存在として、1986年に誕生したのが、ANAホテルズのフラッグシップホテルである「東京全日空ホテル」だ。時はまさに、空前の好景気に沸き立つバブル前夜。周辺には数多くの大使館や外資系企業がひしめき合う国際色豊かなこの土地で、人や文化が邂逅する場として、ホテルでは幾多の思い出が紡がれてきた。
当時としては革新的であった、広々とした吹き抜けが豪奢なアトリウムロビーなど、ホテルの新たな在り方を築き上げながらも、時代の流れや社会のニーズをとらえ、進化を続けてきた。2007年には世界屈指のグローバルホテルチェーン「インターコンチネンタル ホテルズ グループ(IHG)」と提携し、「ANAインターコンチネンタルホテル東京」へとリブランド。日本らしいおもてなしの精神と、グローバルスタンダードのサービスが織り成す上質なホスピタリティで、現在に至るまで揺るぎない存在感を放っている。
2023年10月からは、約15カ月にわたり大規模リニューアルを実施。客室の改装にはじまりスイートルームの新設、クラブルームとスイートルーム宿泊者専用の「クラブインターコンチネンタルラウンジ」の増床、「カスケイドカフェ」や「アトリウムラウンジ」のリノベーションと「ジュネヴァ ロビーバー」の新設など、レストラン&バーも刷新。全801室の客室と13のレストラン&バーを擁し、さらに快適で洗練された空間へと生まれ変わった。こうして迎えたのが、今年6月7日の開業40周年だ。
40周年記念企画の第1弾は、6月1日より期間限定で、開業当初からホテルを守り立ててきた3つのレストランにて、スペシャルメニューを提供する。いずれも創業時の懐かしい味わいを再解釈したメニューで構成されるだけでなく、それぞれの料理に合わせた開業年・1986年のヴィンテージワインを堪能できるのだ。
長い歳月を経て木々が豊かに茂った日本庭園を眺めながら、四季折々の日本料理をいただける「雲海」。ここでは、開業当時親しまれた献立をていねいに紐解き、長きにわたり磨き上げた技術と現代の感性を持って再解釈した、懐かしさと新しさが調和した味わいを楽しめる。
記念メニューとして「彩り膳&和スイーツブッフェ」と「恵会席」が登場。いずれも季節によりメニューは替わるが、たとえば「恵会席」夏の献立では「昭和の芝海老真丈」といった品書きからも懐かしさがにじむ。そのほか一品料理として、「伊勢海老鬼柄焼き」「きんき煮つけ」「鯛兜煮」など、昭和の趣を感じさせる珠玉のひと皿も並ぶ。また料理に合わせて、ヴィンテージワイン「シャトー・プリュレ・リシーヌ1986」を追加でオーダーできるのもうれしい。
創業時、本場・香港より3名のシェフを招聘した中国料理の「花梨」では、その原点を象徴するかのような全8品の料理が揃う。「花梨」の歴史や中国料理の伝統的な調理技術を重んじながらも、新たに使用する食材の幅を広げ、器や盛り付けもよりモダンに仕上げている。
コースの口火を切るのは、香港の料理人への敬意が感じられる「香港スタイル6種一口オードブル」。ほかにも広東料理の代表的な高級食材・燕の巣を用いた「健美燕の巣と卵白のとろみスープ」や、中国五大麺として知られる広東料理の揚げ麺「タラバ蟹と干し貝柱のイーフー麺煮込み」、「北京ダックとスモークダックの味比べ」が続き、広東料理を中心に上海・四川・北京・潮州など中国各地の料理と香港式本格飲茶を楽しめる「花梨」らしいラインアップだ。「シャトー・フォンロック1986」もしくは「コトー・デュ・レイヨン1986」のヴィンテージワインを合わせるのもいいだろう。
ホテルにおける鉄板焼レストランの先駆けとして、最上階の37階に誕生した鉄板焼「赤坂」は、1986年当初から大きな話題を集め、日本の食文化の新たな潮流を生み出した。40周年記念コースでは、開業当時の人気メニューを復刻。当時前菜の主流であったサーモンマリネには、新たにツリーケールを添えてビネグレットソースで仕上げ、現代的な彩りをあしらった。このほかにも人気を博した自家製牛肉の時雨煮や、人参ドレッシングのクラシカルな味わいが効いた彩り野菜のサラダ、昔ながらのプリンなど、懐かしい味わいが口いっぱいに広がる。
そしてメインの特選和牛ステーキは、オニオンソース、モンゴリアンソース、ポン酢という3つの伝統のステーキソースで堪能できる。初代シェフの時代から、素材の持つ味わいを存分に引き出す、シンプルでありながら奥深い調理法を確立し、現在もその技術を忠実に受け継いでいる「赤坂」。刻々と変わりゆく東京の夜景を背に繰り広げられる、伝統に裏付けられた華麗なる鉄板さばきも満喫したい。ヴィンテージワインは「シャトー・ディッサン1986」と「コトー・デュ・レイヨン1986」のふたつが揃う。
このほかにもホテル36階に位置し、東京のダイナミックな夜景が眼下に広がる「MIXX バー&ラウンジ」と、中世ヨーロッパ調のウッディで重厚感漂う3階のメインバー「ダビンチ」では、ふたつの40周年アニバーサリーカクテルが味わえる。
シグネチャーカクテル「ルビーレガシー1986」は、ラズベリーやカシスの甘酸っぱい風味とウイスキーの豊かな味わいが折り重なる、ホテルの華やかな歴史を感じさせる一杯。そしてグレープフルーツと桜のフレッシュな香りにカンパリのほろ苦さを添え、トニックで仕上げた「ザ・琥珀」は、上品な味わい。こちらは40周年を経て、新たな出発点へと颯爽と歩んでいくかのような軽やかな仕上がりだ。
そして2階の「ブリュワーズ トゥーゴー」では、期間限定のケーキが登場。まるでバースデーケーキのようなキュートなビジュアルの正体は、ライムが爽やかに香るレアチーズケーキだ。ひとり用のプチガトーサイズなので、店内でていねいに淹れた「ブリュワーズ コーヒー&バー」のコーヒーに合わせていただくもよし、テイクアウトしてホテルの余韻を楽しむのもいいだろう。
この40年、東京は大きな変化を遂げたように、ANAインターコンチネンタルホテル東京も、時代の流れを汲んでしなやかにかたちを変えてきた。しかしそれを成し得たのは、この上なく洗練されたホスピタリティという確かな礎があったからこそ。そして多彩なスペシャルメニューは、長年ホテルを愛してきた者にはノスタルジーを、初めて訪れる者には新鮮さを感じさせ、伝統と革新が融合した仕上がりになっている。そこには、ホテルが目指す「訪れるたびに新しく、心わきあがるような体験。」というスピリットもしっかりと宿っているのだろう。


ANAインターコンチネンタルホテル東京 40周年記念メニュー
開催期間:2026年6月1日~9月30日
住所:東京都港区赤坂 1-12-33
TEL:03-3505-1185(レストラン予約)
https://anaintercontinental-tokyo.jp