GoProの新シリーズ「MISSION 1」が発表された。単なる新型カメラのローンチというよりも、「GoProが次にどこへ向かおうとしているのか」が明確に打ち出されている。
GoProといえばアクションカメラの代名詞的存在としてアウトドア、スポーツ、旅など、小型でタフでどこにでも取り付けられる機動力が魅力だった。だが今回のMISSION 1シリーズでは、映像表現そのものへ踏み込もうとしている。
「意図を持って撮る」というGoProの変化
発表会で登壇したGoProグローバル・マーケティング・コミュニケーション責任者のリック・ロックリーは、「shooting with intent(意図を持って撮る)」という言葉を使っていた。ただその瞬間を記録するだけではなく、“どう見せたいか”ということまで含めて撮影する。「MISSION 1」は、その方針を掲げているようだった。
実際、今回のシリーズは、50MPの1インチセンサーと新開発のGP3プロセッサーを搭載。上位モデルの「MISSION 1 PRO」では8K60fpsや4K240fpsにも対応する。ただ、発表会で強調されていたのは、スペックそのものというよりも、どんな環境で撮れるかだ。
低照度性能、長時間撮影、熱性能、小型ボディによる機動力。夜の街や少人数ロケ、移動しながらの撮影など、いまの映像制作環境を意識していることが窺える。
小さいのに映画的、映像としての底力
「MISSION 1」は、単なる高性能アクションカメラではない。「コンパクトシネマカメラ」とうたう通りの実力を持っている。上位モデルでは高解像度・高フレームレート撮影に対応し、交換レンズにも対応。一方でリックは「誰でも使えるコンパクトシネマカメラ」と表現していた。
従来のシネマカメラは、大型で重く、撮影体制も大掛かりになりがちだ。一方で「MISSION 1」は、小型・防水・耐久性といったGoProらしい特徴を残したまま、シネマクオリティを可能にした。
最近ではYouTubeやSNS向けの映像制作でも、画質や演出への要求がかなり高くなっていることもその背景といえるだろう。少人数で、街中で、移動しながら撮るケースも多い。そう考えると、小さいのに映画的なアプローチを可能にした今回の方向性は、現代のスタイルに寄り添う。
実際の撮影現場で見えた、「MISSION 1」の可能性
発表会では、GoPro認定アンバサダーで映像監督の普光江新によるトークセッションも行われた。彼が撮影した今回のオープニング映像は、わずか1週間ほどで撮影から編集まで行ったという。だが内容はかなり本格的だ。
ジンバルを使ったモーションラプス、人混みのスクランブル交差点での長時間撮影、300mm級レンズを装着した撮影、マニュアルフォーカスを使ったシーンづくりなど、従来のGoProのイメージとは異なる撮影手法も紹介された。
小さいことがそのまま撮影の自由度につながっている。人混みや街中でも大げさにならないサイズで、狭い場所にも入れる。暗所性能やスローモーション性能によって、映像としての密度も確保できる。
GoProというとアクション撮影のイメージが強い印象だが、今回はもっと日常に入り込む映像機材としての姿を感じさせた。
「MISSION 1」は本格シネマカメラとは少し違う。GoProが目指しているのは、映像表現そのものをもっと軽やかに、自由にすることなのかもしれない。旅先、街中、日常、思いついた瞬間に撮れる。映像としての空気感や没入感も妥協しない。そんな映像制作の新たな可能性を予感させる。
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