【水着姿なら入館無料】観客まで“セザンヌの絵”になる、シュールすぎる美術館イベントが話題

  • 文:山川真智子
Share:

スイス

16.05.26.FB_AUSSENAUFNAHME_41996_DEF_300_20cm.jpg
バイエラー財団美術館 Photo: Mark Niedermann

スイスの由緒ある美術館で、水着で絵画を鑑賞する型破りなイベントが開催された。「水浴」をテーマにしたポール・セザンヌの絵画にちなんだもので、あらゆる年齢層の美術ファンがビキニや海パン姿で来場。芸術作品の一部になったかのような不思議な体験は大いに参加者を楽しませ、イベントは成功裏に終わった。

美術ファン必見! 晩年の作品を一堂に集める

「水浴の日」を開催したのは、スイスのバーゼル郊外にあるバイエラー財団美術館。1997年に開館した美術館で、近代・現代美術の大規模コレクションを所蔵し、国際的に高い評価を受けている。

Cezanne_Baigneuses_um1895.jpg
Cezanne_Baigneuses_um1895 Photo: Anders Sune Berg

 定期的に大型企画展を開催しているが、現在はセザンヌ展が開催中(5月25日まで)。世界各国の著名な公共および個人コレクションから、セザンヌの晩年の作品を集めたもので、これまでほとんど一般公開されていなかったものを含め、油彩画58点と水彩画21点が展示されている。

Portrait_Cezanne.jpg
Portrait_Cezanne © GrandPalaisRmn (musée d’Orsay) / René-Gabriel Ojeda

水着でよりよくアートを理解!イタリア人芸術家が企画

セザンヌにはお気に入りのテーマがいくつかあったというが、水浴する人々は彼が繰り返し取り上げたものだった。理想化された人物像を描くのではなく、木々のリズムや川岸の曲線を取り入れたり、人がまるで地面から生えているかのように描いたりすることで、人物を周囲の風景へと溶け込ませており、水浴者シリーズは、人体と自然の関係を探求する作品となっている。

このセザンヌの象徴的な絵画シリーズからインスピレーションを得て、遊び心を持って現代に再現したのが今回の水着イベントだ。企画したのは、ユーモアと風刺的作風で名高いイタリア人アーティストのマウリツィオ・カテラン。異例の設定により、アートと見る者の間の対話を生み出し、認識を変え、距離感を解消し、ちょっとしたユーモアと自由を加えることを目指したという。

来場者もアート化?イベント大成功

開催日となった5月1日には、思い思いのコスチュームに身を包んだ水浴者が来場。黒い水着にバスタオルを肩にかけた女性、海水パンツ姿で上半身裸の男性、スパンコール付きのキラキラビキニをまとった女性、さらにはビキニを着た男性の姿も見られた。美術館の庭園では、来場者が芝生の上や植物に囲まれた池のほとりで日光浴をする姿もあり、和やかなムードに包まれた。水着姿の人々は、まるで芸術作品の一部のようだったと、来場者の一人がAFP通信に語っている。

ちなみに、バイエラー財団美術館の入館料は通常大人で25スイスフラン(約5000円)とお高めだが、イベントの雰囲気をより楽しんでもらうため、当日水着姿で来場した人は入館無料だったという。

26.01.22.FB_Cezanne_45107_Def.jpg
通常は衣類を着て観覧している。Photo: Mark Niedermann

---fadeinPager---

Instagramの投稿

山川真智子

Webライター

早稲田大学第一文学部卒業。レコード会社に勤務した後に渡米し、コミュニケーション学の修士号取得。米ノースウエスト航空機内誌の編集を経て、日本航空の機内エンターテイメントの選定買付に携わる。夫の転勤で通算9年の東南アジア滞在後、帰国して世界のニュースを紹介するライターに。現在は関西の片隅で、仕事の合間にフランス語学習に奮闘中。

山川真智子

Webライター

早稲田大学第一文学部卒業。レコード会社に勤務した後に渡米し、コミュニケーション学の修士号取得。米ノースウエスト航空機内誌の編集を経て、日本航空の機内エンターテイメントの選定買付に携わる。夫の転勤で通算9年の東南アジア滞在後、帰国して世界のニュースを紹介するライターに。現在は関西の片隅で、仕事の合間にフランス語学習に奮闘中。