DENMARK デンマーク/コペンハーゲン

デンマークでは歴史的な街並みが大切に保存されているが、その一方で非常に斬新かつ革新的な建築物が次々と誕生している。その一つが、コペンハーゲンに建設された高層住宅「カクタス・タワーズ」だ。当初は奇抜な外観が酷評されたこともあったというが、そのデザイン性や機能性が高く評価され、国際的に名誉ある建築賞を受賞している。

新しいタイプの高層集合住宅 人気のエリアに誕生
カクタス・タワーズは、コペンハーゲン市中心部のすぐ外側に位置するヴェスタプロに建設された。かつては赤線地帯として知られ労働者階級の町だったが、1980年代に始まった大規模都市開発プロジェクトにより徐々に住み良い町へと変貌を遂げた。現在ではバーやレストラン、デザイナーズストアが並ぶ、もっともスタイリッシュな地区の一つとして注目されている。
22階建てと20階建ての2棟で構成される高さ80メートルのカクタス・タワーズには、495戸の住戸が配置されている。「マイクロリビング」のコンセプトに基づいて設計されており、各戸は33~53㎡とコンパクトながら、独自にデザインされたインテリアとプライベートバルコニーを備えている。また居住者向けの広々とした共用施設が多数あり、プライバシーとコミュニティの両方を提供することで、都市生活者の多様なニーズに応える新しいタイプの集合住宅となっている。

奇抜な外観 タワーを結ぶ空中庭園
この建物の特徴は、その名の通りカクタス(サボテン)を彷彿とさせるギザギザのシルエットだ。従来のタワーは水平方向に階層が繰り返されるが、カクタス・タワーズではバルコニーが階ごとにずらして配置されているため、同一の構成要素を用いながらねじれるような視覚効果が生み出されている。このデザインは、それぞれの住戸にユニークな眺望をもたらすと同時に、コペンハーゲンのスカイラインに彫刻的なアクセントを加えている。
立地もまたユニークだ。ウォーターフロントの開発計画の一環であるカクタス・タワーズは、新しい金融街まで伸びるスカイパークによって一体化された緑豊かな高台にそびえ立っている。2つのタワーの周りは8600本の植物と180本の木々が植えられた地上8メートルの空中庭園となっており、居住者とビジター双方が利用できる小道のネットワークが広がっている。
批判から称賛へ 欧州最高のお墨付き獲得!
カクタス・タワーズは、2024年にロンドンで開催された高層ビル・都市居住協議会の会議において、ヨーロッパ最高の高層ビルに選出された。この会議は、世界中で建設される卓越した建築物や都市環境の発展を称えるものだ。
設計を担当したのは、世界各地で多数のプロジェクトに携わる国際的建築設計事務所BIG。創設者兼クリエイティブディレクターのビャルケ・インゲルスは、タワーのデザインは文化的保守派の間で強い反発を招いたとし、だからこそ国際的な建築審査員の声を議論に加えることができてうれしいとコメントした。さらに、「サボテン」は今やデンマークで最も醜いタワーであると同時に、欧州で最高のタワーだと胸を張ることができると、受賞の喜びを表現した。
Webライター
早稲田大学第一文学部卒業。レコード会社に勤務した後に渡米し、コミュニケーション学の修士号取得。米ノースウエスト航空機内誌の編集を経て、日本航空の機内エンターテイメントの選定買付に携わる。夫の転勤で通算9年の東南アジア滞在後、帰国して世界のニュースを紹介するライターに。現在は関西の片隅で、仕事の合間にフランス語学習に奮闘中。
早稲田大学第一文学部卒業。レコード会社に勤務した後に渡米し、コミュニケーション学の修士号取得。米ノースウエスト航空機内誌の編集を経て、日本航空の機内エンターテイメントの選定買付に携わる。夫の転勤で通算9年の東南アジア滞在後、帰国して世界のニュースを紹介するライターに。現在は関西の片隅で、仕事の合間にフランス語学習に奮闘中。









