【ロレックス、オーデマ ピゲ、ルイ・ヴィトン…】2026年を象徴する、新作腕時計5選

  • 文:並木浩一、富永淳
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ラグジュアリースポーツの隆盛がひとつの成熟点を迎えたいま、時計界では、自らの原点や歴史的価値を振り返る「再定義の季節」が訪れている。ここでピックアップした5つの新作時計は、表面的な流行やスペック競争を超えた、各ブランドの2026年最新の注目作だ。

Pen 2026年8月号の第2特集は、『キーワードで紐解く、腕時計の最新地図』。今年も「ウォッチズ&ワンダーズ」をはじめ、各ブランドから多彩な新作腕時計が発表された。新素材の開発、複雑機構の進化、薄型化や装着感の追求など、そこには時代を映すさまざまな兆しが見えてくる。腕時計はいまどこへ向かい、私たちは時間を知る道具になにを求めるのか。5つのキーワードを手がかりに、自分らしい一本を見つけてほしい。

第2特集『キーワードで紐解く、腕時計の最新地図』
(第1特集『揺さぶる写真』)
Pen 2026年8月号 ¥990
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貫かれるのは、歴史の継承と未来への進化の要素である。腕時計の存在価値を飛躍的に高めたロレックス「オイスター」誕生100年を祝う新作は、次の1世紀へ向けた王者の静かなマニフェストに見える。ブレゲは1799年の数字タイポを復活させ、天才時計師の美意識を現代に問い直す。ルイ・ヴィトンは手仕事によるエナメル装飾と精緻なトゥールビヨンを融合し、人間の旅への根源的なロマンティシズムを表現した。

時間への哲学的なアプローチが際立つのはパルミジャーニ・フルリエの“必要な時だけ計測針が姿を現す”ミステリアスなクロノグラフ。オーデマ ピゲの、窓越しに瞬時に時を切り替えるジャンピングアワーも、示唆に富むアプローチだ。デジタルな時間に追われる現代、時間を自らコントロールし、その刹那の美しさを楽しむことは、真の贅沢に違いない。

5作が物語るのは、腕時計が単なる道具ではないという事実だ。叡智と手仕事の記憶を凝縮し、持ち主の生き方と深く共鳴する時計なのである。

2026年を象徴する、押さえるべき5本

1. ロレックス「オイスターパーペチュアル 41」

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オイスターパーペチュアル 41/自動巻き、18KYG×SSケース、ケース径41㎜、パワーリザーブ約70時間、SSブレスレット、100m防水。¥1,428,900/日本ロレックス 0120-929-570

腕時計の気密性を飛躍的に高め、人類の活動領域を広げる契機となった防水ケース「オイスター」の誕生から100年。本作はグレーのスレートダイヤルを纏い、ケースとブレスレットにオイスタースチール、ベゼルとリューズにイエローゴールドを組み合わせた。従来のロレゾールに見られる、ブレスレット中央リンクまでゴールドを配したスタイルとは異なる、新しい佇まいだ。次の100年へ続く王道の提示である。

2. オーデマ ピゲ「ネオ フレーム ジャンピングアワー」

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ネオ フレーム ジャンピングアワー/自動巻き、18KPGケース、ケースサイズ47.1×34㎜、パワーリザーブ約52時間、シースルーバック、カーフストラップ、2気圧防水。¥9,790,000/オーデマ ピゲ ジャパン☎03-6830-0000

「ロイヤル オーク」や「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」に続く、メゾンにとって重要な新コレクションが誕生。1929年製のプレモデルから着想を得た針を持たない文字盤に、ブランド初となる自動巻きのジャンピングアワー機構を搭載した。クラシックな複雑機構を、瞬時に時が切り替わるデジタル的な体感へと変換し、現代的なデザイン構造へと昇華。伝統と革新が結実した意欲作だ。

3. ルイ・ヴィトン「エスカル ワールドタイム フライング トゥールビヨン」

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エスカル ワールドタイム フライング トゥールビヨン/自動巻き、PTケース、ケース径40㎜、パワーリザーブ約62時間、シースルーバック、カーフストラップ、50m防水。¥38,940,000/ルイ・ヴィトン クライアントサービス 0120-00-1854

ダイヤル中央に、スターシェイプのモノグラム・フラワートゥールビヨンを大胆に据えた華麗な一本。カラフルな都市リングには、職人の手作業によるグラン・フー・エナメルを用いた。旅というメゾンの原点を、高度な複雑機構とメティエダールで見事に更新した、高次元のトラベルウォッチだ。

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4. ブレゲ「トラディション GMT 7067」

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トラディション GMT 7067/手巻き、PTケース、ケース径40㎜、パワーリザーブ約50時間、ラバーストラップ、シースルーバック、3気圧防水。¥10,571,000/ブレゲ☎03-6254-7211

機構をあえて剥き出しにする「トラディション」最新作。12時位置のダイヤルには、グラン・フー・エナメルにグリーングラデーションを施した。従来のローマ数字ではなく、初代アブラアン-ルイ・ブレゲが用いた独創的なアラビア数字「ブレゲ数字」を採用。そこにGMT機構とラバーストラップを合わせ、現代的な実用性を同居させた。

5. パルミジャーニ・フルリエ「トンダ PF クロノグラフ ミステリューズ」

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トンダ PF クロノグラフ ミステリューズ/自動巻き、SSケース&ブレスレット、ケース径40㎜、パワーリザーブ約60時間、シースルーバック、100m防水。¥6,017,000/パルミジャーニ・フルリエ eメール:pfd.japan@parmigiani.com

“消えるクロノグラフ”と称される、世界初の機構を搭載。通常時は3針時計のように見え、必要な時だけ作動。ボタンを押すと、3本の時刻表示針がクロノ針となり、その下の時分針が現在時刻を示すセンター同軸5針の構造だ。複雑機構を誇示しない、パルミジャーニ・フルリエらしい新機軸である。

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並木浩一
桐蔭横浜大学教授/時計ジャーナリスト

1961年、神奈川県生まれ。1990年代より、バーゼルワールドやジュネーブサロンをはじめ、国内外で時計の取材を続ける。雑誌編集長や編集委員など歴任し、2012年より桐蔭横浜大学の教授に。ギャラクシー賞選奨委員、GPHG(ジュネーブ時計グランプリ)アカデミー会員。著書に『ロレックスが買えない。』など多数。

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