【ヴァシュロン・コンスタンタンの特別展示】伊勢丹新宿店にて、メゾンの歴史を紐解くイベントが開催!

  • 文:植田沙羅
Share:

1755年にスイスで創業した世界最古のマニュファクチュール、ヴァシュロン・コンスタンタンが、伊勢丹新宿店にて期間限定イベント「Explore」展を開催中だ。270年以上にわたり一度も途切れることなく時計製造を行ってきたメゾンの、長い歴史を彩る選りすぐりのタイムピースが、上海出身のイラストレーターであるシャン・ジアンのアニメーションとともに展示されている。

20260708Vacheron-Constantin05417.jpg
イベントは7月8~14日の期間限定で、伊勢丹新宿店 本館1階 ザ・ステージにて催されている。ロンドンを拠点に活動する世界的アーティスト、シャン・ジアンが精緻な筆致で描き出すイラストは、どこか旅情を誘い、「Explore」展の世界観を見事に表現している。

1755年、スイス・ジュネーブの若き時計職人・ジャン=マルク・ヴァシュロンが、自身の工房に見習い職人を迎え入れたことから始まったヴァシュロン・コンスタンタンの歴史。創業当初からスイス国外への事業拡大を目指し、ヨーロッパから中東、アジアやアメリカへ進出を果たしてきた。そんなブランドのインスピレーション源となったのが、“地理的・文化的・技術的な探検”だ。即ち新たな領域の発見や、多様な文化への深い理解、そして芸術に対する豊かな知見がメゾンの好奇心を掻き立て、美しい装飾があしらわれたタイムピースや、それらを支える卓越した新技術を生み出してきた。

奇しくもメゾンの2026年のテーマも、「Explore All Ways Possible - あらゆる可能性を探求して」。“できる限り最善を尽くす、そう試みることは少なくとも可能である”――これは1819年に、メゾンの共同経営者であるフランソワ・コンスタンタンが、創業者の孫息子・ジャック=バルテルミー・ヴァシュロンに宛てた手紙に記されていた言葉で、メゾンのモットーとしていまも大切に刻まれている。今回の「Explore」展でも、“地理的・文化的・技術的な探検”という切り口から、メゾンを語る上で欠かせないタイムピースを披露する。 

Overseas_7930V_210T-H072_H073_H074_H075_Quatuor.jpg
オーヴァーシーズ・デュアルタイム・カーディナルポイント/人気の「オーヴァーシーズ」コレクションから登場した2026年の新作。軽量なチタンケースに、第二時間帯を示すGMT機能と午前を午後を示すオレンジの針を備えた、まさに旅にうってつけのモデルだ。自動巻き、チタンケース&ブレスレット(文字盤と同色のラバーストラップとオレンジのラバーストラップの2本が付属)、ケース41㎜、シースルーバック、150m防水。各¥6,512,000

フランソワ・コンスタンタンが19世紀初頭から始めた交易の旅によって、メゾンは30年間で数多くの新たな市場を開拓した。展覧会を彩るタイムピースは、この旅と密接に結びついている。たとえば北への旅では堅牢性と信頼性を備えた「オーヴァーシーズ」コレクションが、東への旅には東アジアの文様に着想を得たアールデコ様式のタイムピースが生み出された。そして狂騒の1920年代を迎えたアメリカ市場向けに考案されたモデルは現在、「アメリカン1921」として再解釈されている。

なかでも「オーヴァーシーズ」コレクションは、インターチェンジャブル・システムを備えた付け替え可能なストラップが、実用性とデザイン性を併せ持ち、まさに旅のパートナーに相応しい。さらにコレクションの新作「オーヴァーシーズ・デュアルタイム・カーディナルポイント」は41㎜のチタン製で、堅牢性と軽さも兼ね備えた。東西南北の各方位を冠した4つのモデルは、氷に覆われた地をイメージした「北」や、深い森や亜熱帯のジャングルを表した「西」など、冒険と旅の精神を体現したデザインになっている。

---fadeinPager---

伊勢丹新宿店「Explore」展で披露される、アニタ・ポルシェも関わる貴重なヘリテージピース

時計1.jpg
メティエ・ダール フロリレージュ - 女王/2014年に発表された、ベゼルに合計64個、約0.89ctのダイヤモンドをセッティングした女性用腕時計。極楽鳥花の艶やかな色味を再現したエナメルの文字盤には、繊細なギヨシェ彫りが施され、奥行きを与えている。手巻き、18KWGケース、ケース径37㎜、アリゲーターストラップ、30m防水。非売品

異なる文化や建築様式、芸術的感性との出合いを通じて得たインスピレーションにより、ヴァシュロン・コンスタンタンは世界でもいち早くトノー型やクッション型など、なめらかで立体感のあるケースを生み出した。特に匠の芸術を意味する「メティエ・ダール」コレクションにおいてその類稀なるセンスはいかんなく発揮され、原始美術の象徴である“仮面の力”を称えたモデルや、日本の蒔絵を取り入れたモデルなど、芸術品の域に達したタイムピースが揃う。近年はルーヴル美術館と連携のもと、ファラオ時代のエジプトやローマ帝国など、古代文明に敬意を表したシリーズも誕生し、“文化的探検”はいまなお続く。

今回の展示では、貴重なヘリテージピースが並ぶのも見所のひとつ。「メティエ・ダール」コレクションからは、「メティエ・ダール フロリレージュ - 女王」がお目見えする。これはイギリスの医師・植物学者であるロバート・ジョン・ソーントンが、1799年に出版した豪奢な植物図鑑『フローラの神殿』からセレクトした、美しい植物をあしらったモデルとして知られている。

文字盤で優雅に咲き誇るのは、極楽鳥花。1773年に南アフリカからロンドン郊外のキュー王立植物園に届けられたこの花は、イギリス国王ジョージ3世の妻で植物愛好家であったシャーロット王妃の旧姓をとり、ストレリチアと名付けられた。その由縁から「女王」の名を冠したこのタイムピースは、スイス生まれのエナメル職人・アニタ・ポルシェとメゾンの職人の独自技術が、存分に活かされた逸品。エナメル細工や手作業で施したギョーシェ装飾、64個ものダイヤモンドをあしらったジェムセッティングなどの装飾工芸をふんだんに取り入れ、華やかでありながらどこか神秘的な魅力を宿す。

11532_2 (V399326).jpg
1950年製の「シークレット懐中時計」。文字盤にはアラビア数字と転写されたインデックス、外周にはミニッツトラックが配され、ブルーのバトン型針が全体の印象を引き締める。

これらのタイムピースのデザイン性はさることながら、それを生み出す革新的な技術と、時計職人の熟練の技もメゾンを語る上で欠かせない。たとえば、1907年にメゾンは時計製作コンクールで培った経験を基に、競技用にも日常使いにも適した、堅牢かつ視認性が極めて高い「クロノメーター・ロワイヤル」を発表。その歴史はいまも時計史に刻まれている。その“技術的探検”は時に、開閉式のシャッターを備えた1930年代の「ジャルージ」ウォッチや懐中時計など、異才を放つタイムピースをもつくりだした。こうした取り組みは後に、極小キャリバーやワールドタイムの表示など、画期的な発明へとつながっていく。

その一例として今回は、1927年製の米国20ドル金貨を使用した、ユニークな「シークレット懐中時計」も展示される。インナーケースは18Kイエローゴールド製で、側面には長方形の開蓋用プッシュボタンが隠されたモデルで、一見すると時計だと分からないアイテムだ。

熟練の技と革新的な技術に裏付けされた、精緻なデザインのタイムピースは、いずれも270年以上にわたるメゾンの探検の歩みを表している。貴重なヘリテージモデルを間近で見られるこの機会に、ぜひヴァシュロン・コンスタンタンの軌跡を感じ取ってみてはいかがだろうか。

ヴァシュロン・コンスタンタン「Explore」展

開催期間:2026年7月8日~14日
開催場所:伊勢丹新宿店 本館1階 ザ・ステージ
東京都新宿区新宿3-14-1 
開催時間:百貨店の営業時間に準ずる
TEL:03-3352-1111(代表)
www.vacheron-constantin.com

関連記事