【ハイランドパーク】ヴァイキングの末裔が守る、 辺境のウイスキー

  • 文:西田嘉孝
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常に強い風が吹きつけて樹木も育ちにくいが、夏になるとヘザーが一面を覆う。写真は約5000年前の環状列石「リング・オブ・ブロッガー」。©HIGHLAND PARK

シングルモルトスコッチウイスキー、「ハイランドパーク」。世界の愛好家たちが絶賛するその唯一無二のフレーバーに導かれ、最北端の辺境の地、オークニー諸島を訪ねた。

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ハイランドパーク最多受賞歴の「ハイランドパーク18」700mL ¥23,100  ©HIGHLAND PARK

「風土の酒」という表現が、ハイランドパークほど似合うシングルモルトはない。蒸留所があるのは、スコットランド最北端のオークニー諸島最大の島。わずか2万の島民が、その数倍にもなる牛や羊たちと暮らす──そんな島を訪ね、太古の遺跡やローカルなパブを巡れば、この地が地理的にも文化的にも北欧に近く、人々の暮らしや精神にスカンジナビアやヴァイキングの影響が強く入り込んでいることに気づく。そしてもうひとつ、否応なしに体感させられるのが、立っていることすら難しいほどに強く吹きつける風だ。

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左:湿原に堆積した泥炭のピート層。年約1mmしか形成されない貴重な資源だ。 ©HIGHLAND PARK 右:北海に浮かぶオークニー諸島に蒸留所がある。グリーンランド南端とほぼ同じ緯度だ。

「私たちの島では、風があまりにも強いため木がほとんど育ちません。でも、生命力の強いヘザー(常緑低木)は生き残ることができます。その花や茎などが数千年の歳月を経て堆積し、ピート(泥炭)の層が形成されたのです」


ハイランドパークが所有するピートの採掘場で、案内役のスタッフがそう教えてくれた。“ピーティ”と聞くと、ウイスキー党は薬品(ヨード)のような風味を想像するが、ハイランドパークのピート香はそれとは異なる。甘くやわらかで、その香味はヘザーハニーとも称される。 

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ストレートヘッド型のポットスチル。約3年前の改修でステンレス製の発酵槽が導入された。 ©HIGHLAND PARK

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エドリントングループの強固な供給網を通じて調達する、良質なシェリー樽を使用するのもハイランドパークの特徴だ。 ©HIGHLAND PARK

かつてスコッチウイスキーの蒸留所ではフロアモルティング(製麦の手法)が行われていた。水分を含む大麦を床に広げ、大きなシャベルですき返しながら発芽を促し、適度なところで乾燥させて麦芽とする。その際に熱源としてピートが使われたことが、スコッチウイスキー特有のピーティな風味の由来だ。ハイランドパークはそうした伝統をいまも残す数少ない蒸留所のひとつ。麦芽に焚き込まれる唯一無二のオークニー産ピートは、彼らのウイスキーづくりの心臓部であり、大いなる誇りだ。

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蒸留所の敷地内にはさまざまな年代の建造物が立つ。 ©HIGHLAND PARK

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そんなピートを守るため、ハイランドパークでは環境保護団体と共同でさまざまな活動に取り組むと同時に、ピートの使用量を低減させる研究と努力も重ね続ける。

島の伝説的な密造酒製造者が1798年に創設したハイランドパーク。オークニーの風土でしか生まれ得ない大地と花、そして風が薫るシングルモルトだ。

ハイランドパークをもっと知る

三陽物産株式会社

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