【目指せ清潔感】大人男の短パン選び。涼しく洒落る“ミドルエイジ”の街着&仕事着<着る/知る Vol.206>

  • 写真・文・編集:一史
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「キモい」と言われない“短パンおじさん”になるための、選び方と着こなしのヒント集。
※掲載品はすべて記事制作者の所有品。

はじめに

冬の「パーカおじさん」に続き、夏にやり玉にあがっているのが「短パンおじさん」。ミドルエイジ以降の男性が若い女性に振り回される受難の時代である。しかしパーカはともかく、短パンに関してはひとこと物申したい。「短パンは服ではない。夏の酷暑を生き延びための医療機器なのだ」と。脚を出さずに熱中症で倒れたら、もしくは暑さで精神が崩壊したら誰が責任を取ってくれるというのか。

今回のファッション連載「着る/知る」は、それでも街や職場で「キモい」と思われたくない同士たちに向けた、2026年最新版「短パン選びと着こなしのヒント」。夏は短パンしか穿かない生活を15年以上続けてきた者による、涼しく洒落見えする方法をお伝えしよう。

着こなし上手な人、スラッとしたハンサムなイケメンには釈迦に説法な内容である。軽く読み流していただければと思う。
記事の構成は、穿くとき必ず気にしたい「守るべき鉄則」と、なるべく行いたい「実践を望む項目」のふたつにわけている。

守るべき鉄則

1. 着丈は膝が隠れる長さ。膝上はNG。
      ーーー  「キモい」と言われる最大の要因の排除。
2. 素材は滑らかでシワがない、サマーウールやスポーツウェア系。
      ーーー 脚をすっきりと品よくする。
3. 細身でなくゆったりワイドを。
      ーーー 尻と脚のむちむちの排除。
4. 色は黒、グレー、ネイビーのダークカラー。
      ーーー 下半身を引き締め印象をクールに。
5. 上半身をTシャツ1枚にしない。
      ーーー 「海辺のおっさん」にならないように。

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ふくらはぎまで着丈がある短パンの例。どれもナイロンやポリエステルのスポーティな化繊。脚の清潔感を損なう横ジワや、座りジワがつきにくい生地だ。

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守るべき鉄則の解説

1.の解説

おじさんがタブーな短パンは、膝上丈である。「脚長に見えるから膝上丈を穿くべき」と提唱する人もいるが、彼らはたぶん重要な生活シーンを見逃している。それは椅子に座ったときの短パンの状態だ。大股開きの裾がグッと持ち上がり、ベタッと広がった毛だらけの太ももが露出してしまう!オフィスならその姿をずっと同僚に見せつけることになる。

オフィス内でも電車内でも、男の短パンが「キモい」と言われる最大の要因はここにあると思う。立っているだけの姿ならそこまで嫌われないはず。膝下のなるべく長い丈を選ぶことで事故を回避できる。座っても膝が出る程度で済むからだ。

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山界隈で人気のブランド、マンネンロウの着丈違い2点。左のほうが座っても太腿が露出せず、周囲の人を不快にしにくい。

「半端丈は子供っぽい」という意見もあるようだ。確かにミドル丈、七分丈のパンツは、お洒落に身につけるのが難しい服。しかしダサくなったとしても、「キモい」よりマシではないか!?

長い丈を穿く人がまだ少数なのは、入手しにくさも理由かもしれない。市場で見かける種類がとても少なく、探すのにかなり苦労する。ファッションブランド運営の方々は、来年こそぜひ大量投入していただきたいものだ。

2.の解説

街や職場の都会で穿く短パンは、スラックスのように脚がすっきり見えるものを選びたい。短パンはメンズワードローブのなかで屈指のカジュアル服。素材までラフにすると、“清潔感”が失われがちである。
“ドレッシー”を意識して選ぼう。布が優雅に動く高品位なサマーウールが最適だろうが、シワがつきにくい伸び縮みするスポーツ素材もいい候補になる。

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東レが開発した生地「ドットエア」のパンツ。メッシュのようにビッシリと通気孔が開けられとても涼しい。汗の乾きも早くストレッチ性も豊か。ハイテクの化繊生地は夏の男の強い味方だ。

3.の解説

形をゆったりワイドにする一番の目的は、ピタピタ、むちむちの尻と脚を消し去るため。風を通し涼しくする実用面でもワイドが最適だ。ありがたいことに、今夏も太いパンツの流行が続いている。ダボダボを選びウエストを紐で縛る着こなしもファッションとして成立する時代だ。
さらにダボパンは下半身にボリュームが出るから、相対的な小顔効果もある。和装の袴姿の男たちを思い浮かべると、日本男児に合うシルエットなことがおわかりだろう。頭を小さくすると全身がスマートになり、短パンの野暮ったさも軽減される。

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ウール生地でストライプ柄の、クラシックなスーツのような短パン。好きな服だが着丈が短いため、着用頻度は少ない。

4.の解説

ダークカラーを選ぶ理由は、明るい色よりシックになりやすいから。靴も似た色で揃えれば下半身が落ち着き、合わせるトップスの自由度が高まる。深く考えずとも洒落見えさせたいなら、ダークカラーの短パンがもっとも手軽だ。
無地でなく柄ものにしたいなら、スーツのようなストライプ模様がお薦め。さりげなくフォーマルな印象にできる。

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ウール調の化繊生地を使った長め丈パンツのコーデ例。レース編みシャツのインナーはノースリーブのTシャツ。透けシャツで肩の露出をカバーしつつ通気性を確保。

5.の解説

組ませる服選びのキモは、ラフな短パンと、同じくラフなTシャツとで装いを完結させないこと。上に何か1枚羽織り、外出着としての緊張感を足そう。
「おじさんはTシャツが似合わない」という事実と向き合うことも大切。緩んだ体型がもろバレ、貫禄のある顔と釣り合わない、安っぽい、部屋着に見える、と散々な結果につながる。

幸いにも今夏は、「透けシャツ」「レース編みシャツ」といった涼しい服が人気を集めている。店でセールが行われている真夏のいま、羽織りアイテムを入手してはいかがだろうか。肌の露出を減らし体型をカバーし、爽やかな印象を与える服は最高に便利だ。Tシャツの汗じみも隠せて一石二鳥である。

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オフィスを意識したモノトーンコーデ。Tシャツを黒にしてパンツと一体化させ、フォーマルなムードに。シューズは「黒ローファー+黒ソックス」が似合いそうだ。

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実践を望む項目

1. 脂肪を落としスリム体型に。
     ーーー 「キモい」問題の大半が解決。
2. ソックスを履く。
     ーーー 生脚の露出を減らす。
3. 買う店はスポーツショップ以外で。
     ーーー ロゴなしを選ぶため。
4. 上下の色を同系色に。
     ーーー 似た色の明るさ違いで全身をまとめる。
5. トップスをスポーツ素材にしない。
     ーーー パンツの素材感と異なるものを。
6. すね毛を処理。
     ーーー 嫌がられる要因を排除。

実践を望む項目の解説

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夏の日差しをはねのけるブルートーンの装い。上下ともにたっぷりとした分量のオーバーサイズ。全身ダボダボ姿は流行のピークが過ぎたものの、涼しさにはあらがえない。

1.の解説

中年以降の男性が、短パン姿を見栄えさせる一番の秘訣は痩せること。痩せた人なら膝上短パンでも、すね毛があっても清潔感が担保される。その意味では本来、「守るべき鉄則」に含めるべき項目ではある。ただ、この記事制作者自身がダイエットしても腹が引っ込まない小太り……。自分可愛さの甘えで、サブ項目にさせていただいた。

2.の解説

ソックスを履くのは、脚露出の分量を減らし品性を保つため。今夏はファッション界隈でロングタイプが人気を呼んでいる。足下をきれいめにする着こなしが広がってきた。

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エスニックな黒サンダルも、黒ソックスを組ませれば都会的な表情に。素足履きより短パン姿を大人顔にしてくれる。

3.の解説

スポーツブランドを避けるのは、「仕事時に穿くなら」に限った話。スポーツ系は必ずといっていいほど裾や目立つところにロゴマークがついている。それが仕事着としてノイズになってしまう。休日を想起させるからだ。

近年はセレオリ(セレクトショップのオリジナル商品)で、機能的なスポーツ素材のロゴなしパンツがたくさん見つかる。ゆったりワイドな形もお洒落ショップだと探しやすい。毎日水洗いしてダメージが激しい短パンは、値頃なものを何着も用意するのが吉である。

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高級ウール生地のテーラリング短パン。今年購入した品。短い膝丈、あまり涼しくない、クリーニングが手間という理由でまだ一度しか穿いていない。
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イタリアのロロ・ピアーナ社の「365」生地。テーラリングの世界では「365日着用できる実用的なスーツ生地」とされる品だが、汗だく人間には贅沢すぎたようだ。

4.の解説

都会の短パンスタイルの色コーデは、上下を同系色にするのが基本。黒、グレーのモノトーンを軸にすると洒落見えしやすいだろう。ストイックにまとめれば、短パンがアウトドア→街着へ昇華する。全身を暗くせず白やライトグレーを上手く取り入れると、夏らしい軽やかな装いになる。

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セレオリの短パンの化繊生地にプリントされた機能一覧。通気性がよく早く乾き、汗じみしにくい撥水性も兼ね備える。欲を言えば「抗菌・防臭」もほしかったところ。

5.の解説

通気性に優れ汗の乾きも早い、スポーツ素材の短パンは夏の強い味方。ただしシャツなどのトップスも似た素材にすると、フェス会場のようなムードが出てしまう。それでもカッコいい若者と、安っぽくなる我々おじさんとの大きな違いがそこにある。
トップスは麻やコットンのシャツ、またはニットシャツのように表面にニュアンスがあるものを着て、上下にメリハリをつけよう。同系色で整えなくても、ダークカラーのスポーツ素材短パンにはピシッとアイロンを掛けた白シャツもよく似合う。服自体の印象にもメリハリをつける着こなしを意識したい。

6.の解説

すね毛を処理すると脚がクリーンになる。ただし実践するかは個人の思想によるからお好みで。やるならばバリカンのようなヒゲ用電動トリマーを使い、短く残しつつカットすると自然な印象に仕上がる。処理バレしないテクニックのひとつだ。
それでも「いじりたくない」という人は、「ミドル丈短パン+ソックス」で生脚の露出をなるべく減らそう。

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ブラウンカラーのトレンドも意識した、リゾート気分の服装。上下を同系色にして印象を落ち着かせた。組ませるシューズ、帽子、バッグ、サングラス、アクセサリーはアウトドア系を避けるとより都会見えする。

終わりに

男性は女性と比べ、暑がりの人が多いようだ。体温を上昇させる現象が女性より活発とされている。筋肉量が多く、基礎代謝が上がりやすいからだ。つねに毎月の体温変化に慣れている女性と異なり、変化しない男性は風邪でちょっと熱が出ただけでもグロッキーになりがち。仕事の外回りから戻ってきた汗だくの男性が、クーラーの温度を下げるのにも理由があるのだ。
大人の短パン姿が早く市民権を得られることを願う。身体も心も快適に毎日を過ごせるように、夏のお洒落と社会マナーをこれからも考えていこう。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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