コウテイペンギン、氷海、南極点…「夢の南極旅」を叶えるツアー会社3選

  • 写真提供&取材協力:藤原 寛(ネクサストラベル)
  • 文:高瀬由紀子
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コウテイペンギンの群れ、果てしなく続く氷原、青く輝く氷山群。その光景は、写真で見ても息をのむほど美しい。いま南極は、冒険家だけの場所ではなくなった。しかし、どのツアー会社を選ぶかで出会える景色も、旅の快適さも大きく変わる。

オペレーターと呼ばれる南極ツアーの運営会社の数は現在50社以上。極地旅行のプロ、ネクサストラベルの藤原寛が、そのなかでもIAATO(国際南極旅行業協会)に加盟し、厳しい環境保護と安全基準を遵守するおすすめの3社を比較紹介する。

「南極」と聞いて、なにを思い浮かべるだろう? 南極にいま、人は旅することができるようになった。ならば、南極へはどんな行き方があるのだろうか? 南極にはなにが待っていて、どんな景色が見えるのだろうか? 全身で南極を感じたとき、人はなにを想うのだろう――。

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1.【ポナン】フランスの美学と、観測船並みの機能を兼備

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ル・コマンダン・シャルコーには屋内、屋外の2つのプールがある。写真は屋外の温水プール「ブルー・ラグーン」。極寒の環境の中で、温かなお湯に浸かって絶景を眺めるという非日常体験が味わえる。

フランス資本の会社らしい、洗練された美意識をちりばめた空間やサービスが出色。レストランはアラン・デュカスのエグゼクティブシェフがメニューを監修し、アメニティはエルメスやディプティックを用意するなど、船内のラグジュアリーさでは群を抜いている。 

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本格的なサウナとスノールームも完備。
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ル・コマンダン・シャルコーの客室の一例、「スイート・デラックスルーム」。
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同船には、ビュッフェスタイルのカジュアルレストラン、南極の風景を眺めながら食事ができる屋外グリル、アラン・デュカス監修の本格フレンチのコースまで、その日の気分や時間帯に合わせて選べる3つのダイニングを完備している。

加えて、200人以上のキャパシティがありながら、乗客定員を200人以下に抑えてスムーズな南極上陸体験を提供。「ポナンでは、極地探検隊と同レベルの砕氷船『ル・コマンダン・シャルコー』も所有しています。普通のクルーズ船では行けない氷海エリアにまで氷を割って進んでいけるため、ウェッデル海に進入してコウテイペンギンのいるスノー・ヒル島を訪ねるコースもあり、人気を博しています。2028年のシーズンでは、南極を一周する壮大なコースも発表されています」と藤原。

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砕氷船、ル・コマンダン・シャルコー。

ツアーの発着はブエノスアイレスで、ホテルの前泊とウシュアイアとの往復フライト付きが基本。船内はオールインクルーシブだがチップは別に払う必要がある。特筆すべきは、特定日に日本人ガイドが同行するコースがあること。船内のレクチャーの通訳をはじめ、言葉が心配な人はぜひ。

ポナン

●旅行代金の目安(ブエノスアイレス発着)
スノーヒル島のコウテイペンギン14日間:バルコニー客室41,250AUドル〜
www.ponant.jp

 

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2.【アンタークティカ21】ドレーク海峡をひとっ飛び、エア&クルーズの先駆者

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キングペンギン、ジェンツーペンギン、ヒゲペンギン、イワトビペンギンなど、さまざまな種類のペンギンがペイントされている特別仕様の飛行機でドレーク海峡を飛び越える。

魔のドレーク海峡を飛行機で飛び越えてキング・ジョージ島へ、その後クルーズ船に乗り換え周遊する「エア&クルーズ」と呼ばれるスタイルの先駆者。船酔いが回避できる上、旅行日数も1週間以内と時間を有効活用できる。「エア&クルーズを選ぶならここがベストな選択だと思います。アンタークティカ21は、船の乗客定員が80人未満とこぢんまりしているので、フライト時も南極観光時もメリットが大きいんです」と藤原は解説。 

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周遊は飛行機の定員にあわせた小型の「マゼランエクスプローラー」で行う。乗客定員76人。最新の環境基準をクリアしたエンジンや、エンジンの熱を船内の暖房に再利用するエネルギー回収システムを搭載。南極の自然への負荷を最小限に抑える。

他の会社は船の定員が多いため、飛行機を時間差で2機飛ばす必要があり、悪天候の場合は遅延問題が深刻になる。一方アンタークティカ21は1機に全員搭乗できるので時間のロスが少ないのに加え、少人数故に南極でもゆとりをもって観光できるのだという。

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海を望むダイニングルーム。
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南極の海に飛び込むポーラーブランジなどアクティビティも豊富。

ツアーはチリのプンタ・アレーナス発着で、フライト前後のホテル代1泊ずつも含まれている。「片道が飛行機、片道が船というコースもありますが、こちらは南極にいられる日数が往復とも船の場合と比べてそれほど増えるわけではないのと、小型の船なのでドレーク海峡のゆれも激しく感じられるため、あまりお薦めはできません」

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部屋の一例。シングルルームもあるので一人旅にはうれしい。パルカ(防寒着)の支給がないため、持参しない場合はレンタルか購入が必要。

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●旅行代金の目安(プンタ・アレーナス発着)
南極エア&クルーズ8日間:海側客室15,995USドル〜、バルコニー客室19,995USドル〜
南極圏エア&クルーズ10日間:海側客室15,995USドル〜、バルコニー客室19,995USドル〜
www.antarctica21.com

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3.【アンタークティック・ロジスティクス&エクスペディションズ】南極大陸内陸部の氷の世界を堪能できる

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ユニオン・グレーシャーではファットバイクやクロスカントリーなどで、果てしなく続く白い南極の世界を自分のペースで探索できる。

南極半島ではなく、南極大陸内陸部を目指す人に藤原がお薦めするのがアンタークティック・ロジスティクス&エクスペディションズ(通称ALE)だ。「『南極点に行きたい』『コウテイペンギンに会いたい』など、特定の目的に特化したコースが揃っています」

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アイスクライミングからヴィンソン・マシフ登山までアクティビティは冒険レベルだ。

ツアーの発着地はプンタ・アレーナス。そこからチャーター機で南極大陸内部のユニオン・グレーシャーまでは、わずか4時間強のフライトだ。ここをベースキャンプとしつつ、小さなプロペラ機で南極点やコウテイペンギンのルッカリーを訪ねるコースが王道。南極点へは4〜6時間、コウテイペンギンのルッカリーには約4時間のフライトとなる。 

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ユニオン・グレーシャーから南極点やコウテイペンギンの営巣地への移動はプロペラ機で。

「宿泊はテントで、ベッドには極地仕様の寝袋が用意されています。ヒーターはありませんが、キャンプ地は1日中太陽が沈まないので、テント内の気温は4〜20度くらいになります。ここよりぐんと気温が下がる南極点で1泊するコースもありますが、そちらはヒーターが設置されていますのでご安心ください」。雪上車で氷瀑や氷河などのダイナミックな自然景観を見に行くなど、南極大陸でならではのアクティビティが体験できる。 

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宿泊はテント。南極半島と比べると過酷だが、南極の本当の自然を体感できる贅沢がここにある。
 
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ベースキャンプの様子。

アンタークティック・ロジスティクス&エクスペディションズ

●旅行代金の目安(プンタ・アレーナス発着)
南極点フライトツアー66,750USドル、
南極点オーバーナイトツアー75,500USドル、
コウテイペンギンの営巣地ツアー64,595USドル
https://antarctic-logistics.com

ここで紹介したのは一部のツアーだ。発売中のPen 2026年9月号『行きたい南極』では、カジュアルかつアクティブに南極を味わうツアーや、オールインクルーシブの船旅、ガイドの評判が高い老舗クルーズ船などを紹介している。

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