【驚くべき壮大な天空の芸術】オーロラ、白夜、極夜、南半球の天の川……極地だからこそ見られる絶景

  • 文:戸村悦子
  • 協力&写真提供:国立極地研究所
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1日中太陽が沈まない「白夜」、逆に太陽が昇らない「極夜」、そして夜空を彩るオーロラ。南極では、地軸の傾きと極寒の大気が生み出す壮大な光のドラマが繰り広げられている。幻想的なハロや蜃気楼、真珠母雲まで――。南極だからこそ出合える、壮大な天空のドラマを見ていこう。

「南極」と聞いて、なにを思い浮かべるだろう? 南極にいま、人は旅することができるようになった。ならば、南極へはどんな行き方があるのだろうか? 南極にはなにが待っていて、どんな景色が見えるのだろうか? 全身で南極を感じたとき、人はなにを想うのだろう――。

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オーロラはカーテン状や渦巻き状などかたちはさまざま。高度による大気の成分で色が変わり、低空から中層ではピンクや緑、活動が活発になると赤く輝く。光が弱いと肉眼では白っぽく見える。太陽活動が活発になると、天頂から放射状に広がることもある。

地球上で南緯66度33分より南側を「南極圏」という。南極半島北端などを除き、南極大陸のほぼ全域がこのエリアに収まっている。

高緯度にある南極では、夏と冬で昼夜の長さが極端に変化する。これは、地球の地軸が約23.4度傾いた姿勢で太陽の周りを回っているためだ。南極側が太陽へ傾く夏は日照時間が長く、反対側へ傾く冬は短くなる。南極や北極のように緯度が高くなるほど、その差は顕著になる。日本の観測拠点である昭和基地では11月下旬から1月下旬まで1日中太陽が沈まない「白夜」、5月末から7月中旬には太陽が昇らない「極夜」となる。

夜が次第に長くなる時期は南天の星空とオーロラが空の主役になる。オーロラは、太陽から放出された電気を帯びた粒子が、磁力線に沿って南極や北極付近へ入り、上空の大気の粒とぶつかって光る現象だ。おもに地上約100〜500㎞で見られる。出現しやすいのは、極点の周囲を囲む環状の「オーロラベルト」で、昭和基地はその帯の真下に位置し、長期観測の拠点となっている。

夏になると、主役は再び太陽へと移る。空中を漂う氷の結晶に光が当たり、屈折したりすることで、ハロや幻日(げんじつ)といった神秘的な現象が現れる。また、白夜の頃には、太陽が地平線近くを転がるように移動する、極地ならではの光景にも出合える。

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太陽の周囲に虹色の輪が現れるハロ。ダイヤモンドダストに含まれる氷の結晶が太陽光を屈折させて生まれる。輪の左右に明るい光が現れる幻日は、氷の結晶で屈折した光が、太陽と同じ高さに集まって見える現象だ。

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遠くの氷山が反転し、上へ伸びたように見える蜃気楼。南極では、冷えきった雪氷面の近くに冷たい空気がたまり、その上に比較的暖かい空気が重なると、空気の密度差で光が曲がり、幻想的な像が現れる。
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白夜の頃、太陽が地平線すれすれを転がるように横へ移動する様子を、一定間隔で連続撮影したもの。白夜と極夜は、地軸の傾きによって生じ、その期間は緯度が高くなるほど長い。南緯69度の昭和基地では白夜と極夜はそれぞれ約1カ月半、南緯90度の南極点ではそれぞれ約6カ月続く。

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極夜入りの直後、太陽が沈んだあとの地平線にはまだ淡い光が残り、北の空は濃紺からオレンジ色へと移ろう美しいグラデーションに染まる。
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空にのびる天の川。マゼラン雲など、日本では見られない星々が輝き、オリオン座や月の模様も、上下が反転したように見える。南極は空気が乾燥して大気汚染も少なく、天体観測に適している。

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虹色に輝く「真珠母雲」。成層圏が冷え込むと、わずかな水蒸気や硝酸が凍って氷の粒となる。その粒が集まった雲が、日の出前や日没後に太陽光を反射・屈折させて虹色に輝く。色彩が真珠母貝(アコヤ貝)の内側に似ることから名づけられた。

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