【一日過ごしたくなる公共施設】瀬戸内海を望む、山口・岩国に誕生した「いこいと学びの交流テラス」

  • 文:佐藤季代
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庭を望むラウンジ。ソファなどの家具も新素材研究所が手掛け、杉本博司がデザインした松竹図襖絵が伝統芸能の舞台空間を想起させる。

山口県岩国市、瀬戸内海に面する黒磯地区。今年4月、約10ヘクタールにおよぶ旧岩国医療センター跡地に、公共複合施設「いこいと学びの交流テラス」が誕生した。

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1. 山と海に開かれた敷地をランドスケープと一体的に整備。グラウンドや屋外展示、ジョギングコースなどを備え、多様な活動を支える。photo: Naoomi Kurozumi

市内の公共施設を集約し、入浴施設や多目的ホールを備える「福祉センター」と、科学体験や学習の場となる「科学センター」を核に整備。災害ボランティアセンターの拠点としての役割も担う。
設計は、光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所+オオバ共同企業体が手掛けた。背後には山並み、眼前に瀬戸内海が広がる恵まれた環境を活かし、建築とランドスケープを一体的に計画。春分・秋分の日の出方向を建物の軸とし、その中心に開放的な中央ギャラリーを配置した。最大20mの高低差を持つ地形に寄り添うように、中央ギャラリーの周囲に6つのフロアが段状に展開する。高窓や4つの中庭から自然光が注ぐギャラリーを介して、ふたつのセンターは緩やかにつながる。利用者は広大な施設を回遊しながら、山や海の風景をさまざまな角度から楽しむことができる。

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2. 建物を貫く中央ギャラリーは、展示や交流の場としても機能する。中庭や高窓などから光を導き、開放的な空間をつくり出している。photo: Naoomi Kurozumi

広大な外構には、屋外展示や自然観察池、芝生広場などを設け、敷地全体を学びのフィールドとして構成した。
自然や風景そのものを教材とする多様な居場所が、人と自然、学びと福祉を結びつけ、地域に寄り添う新たな公共建築のあり方を示している。

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3. 科学センター内に設けられたサイエンスライブラリー。瀬戸内海を望み、豊かな自然光に包まれながら、落ち着いて読書に向き合える。photo: Naoomi Kurozumi

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4. 動物の歩き方を学べるフィールド。屋外展示や庭、インクルーシブ遊具などを備え、敷地全体が遊びを通した学びと交流の場となっている。© Total Media Development Institute

 

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5. ガラス張りの中央ギャラリーを軸に、福祉機能と科学教育機能を持つ施設を配している。屋外デッキからは穏やかな海の眺望を楽しめる。© Total Media Development Institute

 

いこいと学びの交流テラス

山口県岩国市黒磯町2-9-1   
開場時間:9時〜22時(入浴施設は11時〜20時、最終受付19時30分)
休館日:月(祝日の場合は開館、翌平日休、入浴施設は月・木)
www.city.iwakuni.lg.jp

【設計者】光井純アンドアソシエーツ 建築設計事務所
1995年設立。街と建築のデザインを通した社会貢献を掲げ、都市・建築デザインを国内外で展開する。近作にHARUMI FLAGなど多数。