2024年の映画『カラオケ行こ!』で注目を集め、数々の新人賞を受賞した俳優・齋藤 潤。話題作への出演を重ねる一方、大学では映画を学び、その表現をさまざまな角度から見つめている。俳優として、そしてひとりの映画好きとして、いまどんな思いでスクリーンと向き合っているのか。新作『時給三〇〇円の死神』の話とともに聞いた。
人はなぜ、映画に心を動かされるのか——。「映画」が我々の心をゆさぶり、震わせるのは、そこに宿る熱量、つまりは“想いの強さ”なのかもしれない。たくさんの人の想いが重なって紡がれる映画というメディア。そこにどんな“チカラ”が宿っているのか、一緒に見ていこう。
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俳優として学生として、映画表現の可能性に挑む
映画『キングダム』を観たことをきっかけに「お芝居で希望を与える人になりたい」という夢を抱き、俳優を志した齋藤潤にとって映画館はかけがえのない場所だ。
「隣の方はここで泣くんだ、この場面は同じタイミングでみんなが笑うんだ、みたいなことを感じながら誰かの人生を疑似体験して過ごす時間は、すごく貴重だなと思っています。自分ひとりだけでは味わえない、その空間でしか生まれないものを体感できるから、映画館に行くことが好きなんです」
大学の映画学科で学ぶ齋藤が最近心を打たれた作品は、講義で観たばかりだという家族の物語の名作『クレイマー、クレイマー』。
「夫婦の関係や子どもとの向き合い方には答えがなくて、それぞれに愛のかたちがあるんだなと思いました。僕は邦画に比べると洋画を観ている数が圧倒的に少ないので、幅広い作品に触れたいと思っています。授業では映画の歴史を学ぶことも楽しいので、映画を多角的に突き詰めていきたいです」

『カラオケ行こ!』で新人賞受賞も「不安に」
『ストロベリームーン 余命半年の恋』でも組んだ酒井麻衣監督の新作『時給三〇〇円の死神』では、物語のカギを握る少年を演じている。
「『ストロベリームーン』の撮影では、酒井監督が求めるものに自分の芝居が追いついていないと感じる悔しい瞬間がありました。だからこそ、もう一度挑める機会をいただけたことは、すごく恵まれているなと感じています」
『カラオケ行こ!』で数々の新人賞を受賞したが、以降も「いまのお芝居で大丈夫だったのかなと不安になってしまうことが結構あって。満足せずに自分の表現をもっと深めていきたいと思っています」と謙虚な姿勢を崩さない。観客としての原体験と映画への好奇心を推進力に、齋藤は俳優としての可能性を探り続けている。
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