【この巨大なピンク水晶、実はサウナ】洞窟のような内部とのギャップにも驚く

  • 文:山川真智子
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SWEDEN スウェーデン/シェレフテオ

_BB_9300-2 Photo Pär Olofsson.jpgPhoto:Pär Olofsson

スウェーデン北部の都市、シェレフテオの公園で、ひときわ目を引く新しいパブリック・アートが公開されている。ピンク色で、メタリック調の輝きを持つ水晶のような外観だが、内部はなんとサウナだ。かつて工業地帯だったこの地域の再生を象徴する、ユニークなランドマークとなっている。

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Photo:Pär Olofsson

土壌浄化で地区再生 新たなランドマークが誕生

シェレフテオのシャリン地区ではかつて木材産業が盛んだったが、パルプ生産に伴う有毒化学物資の排出により、スウェーデンで最も汚染が激しい工業地帯の一つとなってしまった。そこで大規模な土壌浄化作業が行われ、17年の歳月を経て、緑あふれる新たな公共空間へと生まれ変わった。

再生した土地には、持続可能な未来の社会づくりをテーマにした「ソサエティ・エキスポ2026」の開催に合わせ、5月28日に気候変動対策のための公園「ウェイストランド・クライメート・アクション・パーク」がオープンした。公園中央にそびえ立つのが、巨大な非対称のリチウム・クリスタルを模したアート作品「クリスタル・サウナ」だ。

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Photo:Pär Olofsson

外観はピンク&メタリック 内部は洞窟風サウナ 

この作品は、チタンコーティングを施したピンク色のミラーシートメタルで覆われた約280個のプリズムで構成されている。構造全体が4度後方に傾いており、自然の岩層を連想させるユニークなフォルムだ。ハイテクな外観とは対照的に、内部は洞窟の雰囲気が漂う、木材を豊富に使用した温かみのある空間となっている。世界初のバッテリー駆動式サウナヒーターが設置され、その形状は古代の火打石を思わせる。電力は全て、再生可能エネルギーで賄うことができるという。

サウナに込められたのは、シェレフテオが歩む再生への希望だ。「極度の熱に耐え、清められ、生まれ変わった状態で現れる」という一連のサウナの儀式に、「時には痛みを伴うが社会にとって必要な変革」を重ねているのだという。過去の産業が残した痕跡を隠すのではなく、その上に先見性のある未来を築くことを選択するという、まさにシェレフテオが現在経験していることを、この作品が表現していると言える。

廃棄から希望へ スウェーデンの芸術家2人組が制作 

「クリスタル・サウナ」を制作したのは、ストックホルムを拠点にパブリック・アートを手掛けるアーティスト・デュオ、ビゲルト&ベリストロム。1986年に共同制作を開始し、以来彫刻、インスタレーション、パフォーマンス、映画といった分野でコンセプト、技術面ともに高度な作品を作り続けている。今回の作品は、「ウェイストランド」のモットーである「廃棄から希望へ」を見事に視覚化したもので、彫刻的なストーリーテリングを公共的機能とクラフトマンシップに組み合わせた、最も複雑な作品の一つとなっている。

 

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Photo:Pär Olofsson

山川真智子

Webライター

早稲田大学第一文学部卒業。レコード会社に勤務した後に渡米し、コミュニケーション学の修士号取得。米ノースウエスト航空機内誌の編集を経て、日本航空の機内エンターテイメントの選定買付に携わる。夫の転勤で通算9年の東南アジア滞在後、帰国して世界のニュースを紹介するライターに。現在は関西の片隅で、仕事の合間にフランス語学習に奮闘中。

山川真智子

Webライター

早稲田大学第一文学部卒業。レコード会社に勤務した後に渡米し、コミュニケーション学の修士号取得。米ノースウエスト航空機内誌の編集を経て、日本航空の機内エンターテイメントの選定買付に携わる。夫の転勤で通算9年の東南アジア滞在後、帰国して世界のニュースを紹介するライターに。現在は関西の片隅で、仕事の合間にフランス語学習に奮闘中。