【輪島塗を70年支えた木地師の記録】震災からの再生と、受け継がれる技を描く『輪島 小さな木地屋の物語』

  • 文:辻山良雄(書店Title店主)
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【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】

『輪島 小さな木地屋の物語』

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赤木明登 著 小さな木地屋さん再生プロジェクト編 拙考 ¥4,950

池下満雄は輪島塗の木地師として、70年にわたり仕事を続けてきた。本書は彼の職人としての営みを見つめるとともに、能登半島地震で倒壊した仕事場の再生を追ったドキュメントにもなっている。「荒型」という木の塊から椀を挽く彼の手仕事は、時間により築かれた肌感覚に支えられている。仕事を語る言葉はなんとも滋味深い。池下は永眠したが、その遺志を引き継ぐ者たちが、この地に長い時間をかけ積み重ねられてきた叡智を再生しようとする姿が印象に残る。職人の肌感覚、ものづくりの時間が体感できる一冊だ。