長年の愛用を経た服は、着る人自身を映す鏡である。吉村界人が語る服からは、生き方や自分らしくあることの大切さが伝わってくる。吉村界人が愛用するリュウイチ イチカワ。愛用する一点もののデニムと服の哲学を訊いた———。
ファッションの楽しさは、最先端の美意識や価値観との出合いだけでは終わらない。むしろその後に続く長い時間にこそ、本当の醍醐味や価値があるはずだ。
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リュウイチ イチカワのジーンズ
役者としてではなく、日常で自分を表現できる服
この日の装いでひと際目を引く、パッチワークのジーンズ。実は吉村界人のためにつくられた一点ものなのだとか。
「2年ほど前に友人から連絡をもらって、『ファッションデザイナーをやっている後輩が、俳優・吉村界人をイメージしてデニムをつくったらしいので、よければ受け取ってもらえないか』と。そうして届いたのがこのデニムなんです」
「RYUICHI ICHIKAWA」とネームが入れられた、パッチワークやダメージが個性的な一本。しかもジーンズのみならず、同じようにデザインされたデニムジャケットとのセットアップだった。
「友人が転送してくれたメッセージには、20代前半の頃に出演した映画で僕がデニムを穿いているのを見て、『この人はジーンズだ』と思ってつくった、ということが書いてありました。実際にジーンズが好きなのと、僕のことを思ってつくってくれたことが純粋にうれしかったですね」
どんなにお洒落で格好よくても、汚すことをためらい、気を遣うような服は着ないという吉村。そして、「役を演じるということだけじゃなく、日常でも自分自身を表現したい」と語る彼にとって、このジーンズほどふさわしい服はない。
「この継ぎ接ぎのデザインはもちろん、世界にひとつだけの服ですから。思いを受け取るという意味でも、けっこう穿かせてもらっています。いつかイチカワさんに感謝を伝えたいですね」
