【ヨウジヤマモト プールオム】大東駿介が偏愛するスカジャン。10年着続けた一着に刻まれた記憶

  • 写真:阿部裕介 (YARD) 
  • スタイリング:服部昌孝
  • ヘア&メイク:SHUTARO (VITAMINS)
  • 編集&文:栁澤 哲
Share:

長年の愛用を経た服は、着る人自身を映す鏡である。大東駿介が語る服からは、生き方や自分らしくあることの大切さが伝わってくる。大東駿介が愛用するヨウジヤマモト プールオムのスカジャン。役者としてではなく、日常で自分を表現できる服とは———。

ファッションの楽しさは、最先端の美意識や価値観との出合いだけでは終わらない。むしろその後に続く長い時間にこそ、本当の醍醐味や価値があるはずだ。

2026秋冬ファッション特集
『いい服を、長く着る』
Pen 2026年11月号 通常号¥990
Amazonでの購入はこちら
楽天での購入はこちら

260819_Pen_大東駿介0903.jpg
大東駿介(だいとう・しゅんすけ)●1986年、大阪府生まれ。2005年に俳優デビュー。以降、映画やドラマ、舞台など、多くの作品に出演する。現在、NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」に前田利家役で出演中。また主演ドラマ「絶望できない男」(カンテレ系)が毎週木曜深夜1:15に放送中。

ヨウジヤマモト プールオムのスカジャン

この刺繍を見るたびに、さまざまな記憶が蘇ってくる

「このスカジャンは10年ほど前、青山で購入しました。黒いシルク生地の品のよさと、そこに赤で鮮やかに刺繍が入っているのが魅力的で、ひと目惚れでした。スカジャンだけで5、6着は持っていますが、刺繍ならではの温かみと、それが入ることによってデザインが完成する感じが好きなんです。特にこだわりがあるわけではないのですが、ジャケ買いみたいなものですね」

いわゆるアメカジ、ヴィンテージ的な服の趣向というわけではないが、大東の話を聞くにつれ、彼の奥ゆかしい服との付き合い方が浮かび上がってきた。

260819_Pen_大東駿介0849.jpg
「今日ここに持ってくるあいだにも、いろんな記憶が呼び起こされました」と、自身のスカジャンを見つめながら話してくれた大東。これまでのスカジャンはラフに着ることも多かったが、艶やかなシルク生地による凛とした佇まいが魅力のこの一着は、ていねいに着ていきたいと語る。両胸にボディと同色で仏陀とおぼしき手の刺繍が施されたデザイン。

「あまり服に固執することはないのですが、スカジャンだけは着ていた時のことを思い出すというか、服と一緒に記憶が蘇ることがあります。初めてスカジャンを買ったのは15年くらい前で、それを着て友人のライブに行った帰りに雨に降られて。あまり気にせず傘も差さず歩いていたんですが、1年後にそのスカジャンを見たら肩のあたりが色褪せていて、すごく色っぽかったんです。そう思うのと同時に、友人たちの顔が思い浮かんで、一緒に過ごした夜の記憶が鮮明に蘇りました。刺繍がほつれてきたとしてもそれが思い出に変わるというか、刺繍とともに時間が紡がれていく感覚が、僕にはあるんです」

260819_Pen_大東駿介0916.jpg
内側はカラフルなナイロン生地でリバーシブルの仕様。このブルーがちらりとのぞくのもサマになる。
260819_Pen_大東駿介0876.jpg
背面にはボディと同色でブランドネームの刺繍が施されている。

服によってストーリーが紡がれ、その服がいつしか思い出のスイッチになる。大東はこれからも、スカジャンという服に人生のストーリーを重ねていく。

関連記事

【メゾン マルジェラ】坂東龍汰が出合った、“おじいちゃんになるまで着たい”一着とは
 
【リュウイチ イチカワ】吉村界人が愛着を語る、自分のためにデザインされたデニムと服選びの哲学
通常号表紙.jpeg
2026秋冬ファッション特集
『いい服を、長く着る』
Pen 2026年11月号通常号 ¥990
Amazonでの購入はこちら
楽天での購入はこちら