世界各都市の洒落者たちが、日常的に着ている愛用の一着。それはいかにして彼らの“ユニフォーム”となったのか。こだわりや着こなしのコツには、学ぶべき点がいくつもある。ファッション史研究者のヘマイス・ベン・ラクダル=レズギが愛する“ユニフォーム”とは。
ファッションの楽しさは、最先端の美意識や価値観との出合いだけでは終わらない。むしろその後に続く長い時間にこそ、本当の醍醐味や価値があるはずだ。
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長い間探し続けて、ようやく出合えた運命のユニフォーム
ファッション史研究者のレズギは、「ファッションは僕の専門分野だからこそ、研究対象である服と日常的に着る服を切り離したい」という思いから、自分だけのユニフォームを持つことを大事にしている。

なかでも、バスティーユのヴィンテージショップ、アン・ムスィウで手に入れたレザージャケットは、1年半かけて見つけた運命の一着。モノトーンカラーで統一し、パリジャンらしいシックなスタイルに仕上げるのが定番だ。
アクセサリーはデコラティブ主義。パリのトルコ系ジュエリーショップで手に入れた、北西アフリカの伝統的なブレスレットやパキスタンのスカーフで、エスニックなエッセンスを取り入れる。サングラスは修士論文のテーマだったサンローランのもの。
「ほしいもののイメージがはっきりとあるから、気に入るものに出合うまで、何年もかかってしまいます。上半身にしっかりした立体感をもたらしてくれる構築的なジャケットを探していたのですが、これはボリュームや丈感、ディテールまですべてが理想的でした」。長く愛用できるものを妥協なく選ぶ姿勢には、服を愛し、深く掘り下げてきた研究者のこだわりがにじむ。
