パリ流“長く着る”哲学。ファッション史研究者が選んだ運命のレザージャケット

  • 写真:戸板直哉
  • 文:鈴木桃子
  • 編集:上野ルミ
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世界各都市の洒落者たちが、日常的に着ている愛用の一着。それはいかにして彼らの“ユニフォーム”となったのか。こだわりや着こなしのコツには、学ぶべき点がいくつもある。ファッション史研究者のヘマイス・ベン・ラクダル=レズギが愛する“ユニフォーム”とは。

ファッションの楽しさは、最先端の美意識や価値観との出合いだけでは終わらない。むしろその後に続く長い時間にこそ、本当の醍醐味や価値があるはずだ。

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ヘマイス・ベン・ラクダル=レズギ●ファッション史研究者/ソルボンヌ大学教授/文筆家。パリ生まれ。ソルボンヌ大学の教授であり、ルーヴル美術館内のルーヴル美術学校でも教鞭をとる。ファッションの歴史と理論を専門とし、オートクチュールとオリエンタリズムの関係について研究。

長い間探し続けて、ようやく出合えた運命のユニフォーム

ファッション史研究者のレズギは、「ファッションは僕の専門分野だからこそ、研究対象である服と日常的に着る服を切り離したい」という思いから、自分だけのユニフォームを持つことを大事にしている。

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毎日着用するアクセサリーは、レズギにとってお守りのようなもの。父親から譲り受けた、動物の角やターコイズのネックレスを重ね付け。パリ発のブランド、バングラ・ベガムのロングピアスがトレードマーク。

なかでも、バスティーユのヴィンテージショップ、アン・ムスィウで手に入れたレザージャケットは、1年半かけて見つけた運命の一着。モノトーンカラーで統一し、パリジャンらしいシックなスタイルに仕上げるのが定番だ。

FB-2.jpgアクセサリーはデコラティブ主義。パリのトルコ系ジュエリーショップで手に入れた、北西アフリカの伝統的なブレスレットやパキスタンのスカーフで、エスニックなエッセンスを取り入れる。サングラスは修士論文のテーマだったサンローランのもの。
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昼と夜の寒暖差が激しいパリでは、ショールが欠かせない。蚤の市で見つけたものや友人から贈られたものなど、「気づけばチェック柄のショールが増えているんです」とヴィラール。

「ほしいもののイメージがはっきりとあるから、気に入るものに出合うまで、何年もかかってしまいます。上半身にしっかりした立体感をもたらしてくれる構築的なジャケットを探していたのですが、これはボリュームや丈感、ディテールまですべてが理想的でした」。長く愛用できるものを妥協なく選ぶ姿勢には、服を愛し、深く掘り下げてきた研究者のこだわりがにじむ。

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奥から時計回りに、何年も愛用しているセリーヌのブーツ。部屋の壁を塗った時に一緒にペイントしたサロモンのスニーカー。レースアップシューズとローファーは、デザインと履き心地が気に入っているジャック・ソロヴィエールのもの。
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上半身と下半身の双方にボリュームをもたせることで、立体感のあるすっきりしたシルエットを構築し、スタイルアップにつなげる。レザージャケットの丈感に揃えたショート丈のシャツは、ユニクロとJW アンダーソンのコラボラインのウイメンズからチョイス。ウエストから裾に向かって広がるパンツは、袴のようなボトムを探していて、無印良品で見つけたもの。

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