ロレックスの100年を導いた革新、“オイスター”の伝説を紐解く

  • 文:鈴木 誠
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ロレックスの代名詞「オイスター」が誕生100周年を迎えた。写真は1926年に登場した初代オイスターウォッチ。ベゼル、バックケース、リューズをねじ込み式として高い密閉性を得た。©Rolex

ダイヤルに記された“OYSTER”(オイスター)の文字は、ロレックスを象徴する防水ケースの名前であるとともに、ロレックスが追求する卓越性の原点でもある。ここでは、彼らが過去100年で成し遂げた革新と進化の歴史を紐解いていく。

“オイスター”=牡蠣のような防水ケース

時代はまだ懐中時計が主流の1900年代。ロレックスの創立者ハンス・ウイルスドルフは、スポーツやアウトドア活動の人気が高まっていることに着目。やがて防水性能によって腕時計がすべての人の必需品になると確信した。

1926年に開発された防水ケースは、ベゼル、バックケース、リューズをミドルケースにねじ込む独創的な構造で、完全な密閉性を確保。その高い防水性能を牡蠣にたとえて“オイスター”と名付けられた。

ブランド初の防水性腕時計「オイスター」誕生の翌年。ハンス・ウイルスドルフは、イギリス海峡の泳断に挑もうとしていたメルセデス・グライツに、オイスターウォッチの着用を依頼。ブライトン出身の若いスイマーの彼女にとって、成功すればイギリス人女性初となる快挙だった。この挑戦と成功をきっかけに、ロレックスとオイスターの名は広く知られることとなる。

ロレックスの1927年の新聞広告の写真
偉業を成し遂げたイギリス人スイマー、メルセデス・グライツとともに、オイスターウォッチの卓越性をアピールする1927年の新聞広告。各分野で功績を残し、高みを目指し続ける人物を”TESTIMONY”(テスティモニー)として迎えるロレックスの文化は、ここから始まっている。🄫Rolex

ハンス・ウイルスドルフが防水ケースにこだわったのは、単に水中で使える腕時計を目指したからではなかった。

ケースが完全に密閉されていなければ、ムーブメント内部には少しずつほこりが侵入する。そのほこりが回転軸の潤滑油に付着すると、やがて油は粘度の高いペースト状になり、研磨剤のように軸や歯車を摩耗させてしまう。

つまり防水ケースは、水から時計を守るだけではなく、長期にわたって精度を維持するためにも重要だった。ウイルスドルフは、そのことを見抜いていたのだ。

ロレックスの1932年の広告の写真
1932年の広告。水槽内で時を刻み続けるオイスターウォッチをフィーチャーしている。ほこりや湿気の侵入を許さないオイスターケースの防水性があってこそ、卓越した高精度を長く維持できるという考えがあった。🄫Rolex


さらに1931年に自動巻き機構の“パーペチュアル”が搭載されると、着用者はぜんまいを巻き上げるために頻繁にリューズを引き出す必要がなくなった。これにより、リューズからムーブメント内部に湿気やほこりが侵入するリスクも軽減された。

防水性能によって信頼性を確保するオイスターウォッチの基本思想は、ここでひとつの完成形に到達したのだ。

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世界を“生きた実験室”に。多様化するコレクション

信頼性と実用性を兼ね備え、世界中で高い評価を得たオイスターウォッチ。その後の歴史において、ロレックスは常に実践で技術革新を証明してきた。

エベレスト初登頂、旅客機の発展、深海への挑戦―――。世界そのものを“生きた実験室”としてオイスターウォッチを進化させるべく、ハンス・ウイルスドルフはオイスターウォッチを多くの探検家や科学者、アスリート、パイロット、セーラー、登山家、ダイバーたちに提供。彼らのフィードバックをもとに改良を重ねてきた。

ロレックスが登場している雑誌「TIME」の表紙
大陸間旅行が発展し、旅客機はタイムゾーンを越えて飛行するようになった。1955年に登場した「GMTマスター」は、そんなパイロットのニーズに応えてふたつの時間帯を同時に読み取ることができる。パンアメリカン航空の公式時計となり、超音速旅客機コンコルドのテスト・パイロットも着用した。©Rolex
ロレックスのオイスターウォッチとともにエベレストへ登頂したイギリス遠征隊の写真
1953年5月29日、オイスターウォッチを携行したイギリス遠征隊のエドモンド・ヒラリーとテンジン・ノルゲイが世界最高峰のエベレストへ登頂。極限のフィールドにおける信頼性は、山頂だけでなく深海でも証明してきた。©Rolex
ロレックスの「エクスプローラー」の広告の写真
1967年当時の「エクスプローラー」の広告。先のイギリス遠征隊を率いたサー・ジョン・ハントが愛用し、「われわれの登山装備に不可欠なもの」と評した。©Rolex
ロレックスのGMTマスターを身に着けたサー・ジャッキー・スチュワートの写真
ロレックスの時計はスポーツとの関係も深い。モータースポーツ界で「フライング・スコット」として知られるサー・ジャッキー・スチュワートは、F1史上最も偉大なドライバーのひとりと称される。左手にはGMTマスターが見える。©Rolex

オイスターウォッチの歴史は、人類が高みを目指してきた歴史にも重なる。人間の限界が押し上げられるとともに、オイスターウォッチのラインアップも同時に拡充してきたのだ。そして、それぞれのモデルは現在でもロレックスを象徴するアイコニックな存在となっている。

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卓越性を支え、革新を進める。100周年のいま、知っておきたいオイスターウォッチ

2026年、ロレックスは独自の「Superlative Chronometer(高精度クロノメーター)」認定をさらに強化した。一般的なクロノメーター規格よりも厳しい、日差−2〜+2秒以内という精度基準としながら、新たに耐磁性、信頼性、持続可能性に関する検査基準を導入。高精度と信頼性という卓越性を守りながら、さらなる革新を進めているのだ。

ロレックスの腕時計「デイトジャスト」の写真
「デイトジャスト」は、防水性のオイスターケース、自動巻きのパーペチュアル、そして日付ディスクが日をまたぐ瞬間に切り替わるデイトジャスト機構を組み合わせている。1945年の発表時にハンス・ウイルスドルフが「時計製造における頂点」と表現したように、彼が描いた“必需品”としての腕時計を最もピュアに体現するモデルと言えよう。©Rolex

ロレックスが取り組む持続可能性には、時計の精度と耐久性を長期的に保証するためのコミットメントも含まれる。たとえば、すべてのモデルについて、カタログへの掲載が終了した後も数十年間にわたり交換部品を保管している。ムーブメントそのものの精度を追求するだけでなく、その性能を長く維持することにも力を注ぐ。単にムーブメントを高精度にするだけではなく、その性能を維持するために工夫を凝らすのは、オイスターという防水ケースを創出した100年前から通じる哲学だ。

ロレックスの腕時計「ランドドゥエラー」の写真
「ランドドゥエラー」は2025年に発表された、ロレックスの新章をひらく最新モデル。再設計されたオイスターケースはブレスレット一体型のデザインとなり、ケースからシームレスに流れるようなラインを得た。トランスパレントケースバックからのぞくムーブメントは、強い耐磁性と革新的な脱進機を持つ新型だ。©Rolex

 

ロレックスの腕時計「ヨットマスターII」の写真
「ヨットマスター II」は、ロレックスとセーリング競技の深い絆から誕生したモデルだ。2026年のアップデートでは、レガッタクロノグラフの特徴的なカウントダウン機構を再設計。スタートまでの時間管理が勝敗を分ける競技に欠かせないパートナーとして、その使い勝手がさらに高められた。©Rolex

創立者ハンス・ウイルスドルフが“来たる腕時計の時代”を見据えて生み出したオイスターウォッチ。予見の通り、腕時計は当たり前の存在となった。現在も進化を続ける多様なオイスターウォッチのコレクションは、まさしく彼の慧眼を証明しつづけている。

ロレックスはオイスターウォッチの誕生100年を記念し、数々のエピソードや貴重なアーカイブ資料とともに、その伝説の核心に迫る動画を公開している。

日本ロレックス

Tel:0120-929-570
オイスターの100年を紐解く動画はこちら

https://www.rolex.com/ja