ヴィンテージデニムは人生を刻む。古着を愛する洒落者の着こなし論

  • 写真:戸板直哉
  • 文:鈴木桃子
  • 編集:上野ルミ
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世界各都市の洒落者たちが、日常的に着ている愛用の一着。それはいかにして彼らの“ユニフォーム”となったのか。こだわりや着こなしのコツには、学ぶべき点がいくつもある。ヴィンテージショップオーナー/モデルのハリー・ティブルが愛する“ユニフォーム”とは。

ファッションの楽しさは、最先端の美意識や価値観との出合いだけでは終わらない。むしろその後に続く長い時間にこそ、本当の醍醐味や価値があるはずだ。

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ハリー・ティブル●ヴィンテージショップオーナー/モデル。ロンドン郊外サフォーク州出身。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションでファッションコミュニケーションを学んだ後、モデルとして活躍。22歳でヴィンテージショップLa Nauséeをスタート。

ヴィンテージのデニムに、時間や記憶を刻み続けたい

ティブルがほぼ毎日穿くというエドウインの代表作503。初めて日本を訪れた際に古着屋で見つけたもので、穿き込むことで生まれるシワや破れの経年変化も楽しんでいる。「どんな人の人生にも寄り添う普遍的なストレートデニムは、僕のコーディネートに欠かせないユニフォームです」。

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70年代、ベトナム戦争期につくられたイタリア製のコンバットブーツ。デニムを無造作にインし、大きく張り出したベロが軽快かつこなれた印象に。履き込むほどに革の味わいが増し、武骨な佇まいが際立っていく。

着こなしのインスピレーション源は、街を行き交うビジネスマンやベンチに座っている高齢の紳士など、ロンドンの街角で出会う人たち。彼らのスタイルに寄せて、ヴィンテージアイテムでコーディネートを組む。「13歳の時にタンブラーでヴィンテージを探し始めて夢中になりました。

FB-8.jpgヴィヴィアン・ウエストウッドやナンバーナインをはじめ、Tシャツはヴィンテージもしくはヴィンテージ加工が施されたものを中心にコレクションしている。破れたり生地が薄くなったり、着古したような風合いのTシャツが、ティブルの気負いのないナチュラルなスタイルにマッチ。

誰かにずっと着られてきて、自分とは別の人生を持っているノスタルジックなところが好きなんです」。ヴィンテージは時間や記憶が刻まれているもの。ティブルは誰かの人生に思いを馳せながら、愛をもって着続けている。

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デニムを都会的に昇華させたコーディネートのテーマは「ロンドンの地下鉄駅へと急ぐビジネスマン」。ディオールのヴィンテージコートの下に、同系色のゼニアのシャツをレイヤードしてモダンな印象に。コートの袖をロールアップして赤いサテンの裏地をさりげなくのぞかせることで、着こなしにヒネリを効かせた。

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