腕時計選びに迷ったら、自分の好きなものを手がかりに街を歩いてみるのもいい。時計の聖地・銀座の街をめぐる、Penお薦めのブティックガイドを建築をテーマにつくってみた。

ジュネーブやパリなど名門時計ブランドが居並ぶ街は多くあるが、いまや銀座は規模や内容で世界トップクラスだ。銀座への時計ブランドの進出は、2000年代初頭のフランク ミュラーやブライトリングの出店が端緒となる。07年には「ニコラス・G・ハイエック センター」が竣工し、ブレゲ、オメガ、ブランパンなどスウォッチグループのブランドが集結。これを契機に、最高峰のブランドが競うようにフラッグシップを構え、独立系ブランドや二次流通専門店もひしめく。国内外の時計愛好家を引き寄せる、世界屈指のウォッチタウンとなった。迷宮ともいえるほどの銀座をめぐる手がかりにしたのは、“建築”のテーマだ。腕時計に詳しくなくても、自分の関心事から入ればいい。建築が好きならファサードを眺める。まるで没入型のテーマパークのようだ。
建築の造形や素材づかい、街とのつながりを眺めながらブティックへ。著名建築家やデザイナーの手掛けた空間と腕時計とを見比べれば、そのブランドが培ってきた美意識とブランド哲学が見えてくる。
腕時計の本当の価値は、写真だけではわからない。光のニュアンスで変わる文字盤の表情や腕にのせたときの収まり、針の繊細な動き、ムーブメントの確かな“鼓動”──。ブティックで実際に見て、触れることで、一本に凝縮された奥深い世界が見えてくる。さあ、街へ出よう。まだ知らない腕時計の魅力が、きっと見つかるはずだ。
特集『街に出よ、 腕時計を楽しもう』
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【ロレックス ブティック レキシア 銀座本店】
光と陰影を纏った、象徴的なファサード
「ロレックス ブティック レキシア 銀座本店」は、中央通りでも縦のリズムを刻むファサードが目を引く。グエナエル・ニコラ率いるキュリオシティがファサードデザインを手掛け、ロレックスの腕時計のアイコニックな要素のひとつであるフルーテッドベゼルから着想を得た造形だ。外壁の溝が光を捉え、見る位置や時刻によって表情を変える。
館内は地下1階から3階までの4フロア。1階のレセプションを抜けると、ブランドの世界観を映した落ち着きある空間が広がる。上階にはバーカウンターやレセプションルームがあり、寛ぎながら自分らしい一本を吟味できる。フルーテッドベゼルを備えた「デイトジャスト」をはじめ、建築と共鳴する美意識を探しながら、時計づくりの精神に触れたい。
オイスター パーペチュアル デイトジャスト 41 ホワイトゴールド製のフルーテッドベゼルを備えた新作。ゴールドとスチールを組み合わせたロレゾールは1930年代に考案され、異素材を美しく融合し、輝やきと堅牢性を両立する。1945年に誕生した「デイトジャスト」はロレゾールを採用した代表的なモデル。自動巻き、SSケース&ブレスレット、ケース径41㎜、パワーリザーブ約70時間、100m防水。¥1,731,400/ロレックス ブティック レキシア 銀座本店 TEL: 03-3567-1879
ロレックス ブティック レキシア 銀座本店
●東京都中央区銀座3-5-4
TEL:03-3567-1879
営業時間:11時〜19時
休業日:不定休
www.rolexboutique-lexia.jp
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【カルティエ 銀座4丁目ブティック】
ドレープに誘われ、内なる美の殿堂へ
クライン ダイサム アーキテクツがファサードデザインを手掛けた「カルティエ 銀座4丁目ブティック」。布のドレープのように波打つ外装は、やわらかな曲線と垂直の柱が美しい対比を描く。あらゆる技術は美の表現のために、というメゾンの美学を物語るようだ。
内部を設計したのは、パリ本店をはじめ主要ブティックに携わってきたモワナー ベタイユ。外観とは異なる表情を持つ空間をめぐりながら、ジュエリーと腕時計に共通する美意識に触れたい。端正な「タンク アメリカン」や曲線が優美な「トーチュ」など、直線と曲線を自在に使い分けるメゾンの造形を見比べる楽しみもある。
右:「タンク アメリカン」 スケルトン 1921年発表の「タンク サントレ」に着想を得て、88年に登場。縦長の角形ケースと手首にまとわるような流線的なフォルムが特徴。同コレクション初のスケルトンムーブメントは、極限までオープンワークを施す。手巻き、18KPGケース、ケースサイズ44.4×24.4㎜、パワーリザーブ約50時間、アリゲーターストラップ、日常生活防水。¥8,052,000/カルティエ カスタマー サービスセンター
カルティエ 銀座4丁目ブティック
●東京都中央区銀座4-2-11
営業時間 11時〜19時
不定休
www.cartier.com
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【銀座メゾンエルメス】
銀座の夜に灯る、光のランタン
レンゾ・ピアノ設計の「銀座メゾンエルメス」は、ガラスブロックに包まれた外観が印象的。昼はやわらかな光を取り込み、夜には建物全体が光のランタンとなって街を照らす。誕生から25年を迎え、銀座を代表するランドマークに。
建築を眺めたら、内部でメゾンの職人技と自由な創造性にも触れたい。素材や光の表情を眺めれば、空間と腕時計に通じる感性が見えてくる。「エルメス H08 スケレット」など、構造そのものを楽しめるモデルにも注目したい。
銀座メゾンエルメス
●東京都中央区銀座5-4-1
TEL:03-3289-6811
営業時間:11時〜19時
休業日:水曜
www.hermes.com
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【ティファニー 銀座】
ティファニーブルーが彩る、ブランドの美しき世界
青木淳が手掛けたファサードは、淡いティファニーブルーが印象的。その着想源となったのが、初代アートディレクター、ルイス・コンフォート・ティファニーのランプ「ウィステリア」だ。藤の花を思わせる優美な外観が街を彩る。
ピーター・マリノがデザインした店内にも、装飾美術を大切にするブランドの精神が息づく。その美学は時計づくりにも通じ、ティファニーブルーがあしらわれた「ティファニー タイマー」をはじめとする腕時計にも表れている。
創業初期から時計を扱い、本格参入のきっかけとなった1866年発表の懐中時計へのオマージュを込める。エル・プリメロを搭載し、ティファニーブルーを挿し色に配する。自動巻き、チタンケース、ケースサイズ40㎜、パワーリザーブ約50時間、アリゲーターストラップ、100m防水、世界限定100本。価格未定/ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク TEL: 0120-488-712
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【和光ウオッチスクエア クレドールサロン】
銀座の象徴的な建物に息づく、日本ならではの「装の美」
銀座を代表する四丁目交差点の「SEIKO HOUSE」(旧和光本館)の時計塔は、渡辺仁建築工務所が設計し、1932年に竣工。ネオ・ルネッサンス様式を取り入れた建物は、戦禍を奇跡的にくぐり抜け、いまも時を刻み続ける。
その1、2階に構えるのが「クレドールサロン」だ。1974年に誕生したクレドールが追求するのは、日本の美意識に根ざした「装の美」。薄型時計の繊細さや、彫金などの伝統技術にその哲学が息づく。ぜひ日本の匠の技に触れたい。
文字盤には放射状に広がる繊細な彫金を施し、分目盛には細かな円を連ねた伝統的な「魚々子(ななこ)」模様を採用。和の美意識と匠の技が息づく。手巻き、PTケース、ケース径38.6㎜、パワーリザーブ約60時間、シースルーバック、クロコダイルストラップ、3気圧防水、世界限定25本。¥28,600,000/セイコーウオッチお客様相談室(クレドール TEL: 0120-302-617)
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【スウォッチストア銀座】
スイス時計の多様さを、ポップに楽しむ
坂茂が設計した「ニコラス・G・ハイエック センター」は、矩形を重ねた外観と大きなガラス開口が印象的だ。館内には多様な個性を持つ時計ブランドのブティックが集まり、専用エレベーターで各店舗へと向かう仕掛けも楽しい。吹き抜けのアトリウムや垂直の庭など、建築を巡るだけでも発見がある。4階の「スウォッチストア銀座」は、まさに多様性を体現する腕時計が並ぶ。透明ケースの「ワット イフ…ジェリー?」など自由な遊び心にあふれた一本を見つけたい。
SWATCH
●東京都中央区銀座7-9-18
ニコラス・G・ハイエック センター4F
TEL;03-6254-7411
営業日:11時〜20時 不定休
www.swatch.com
