天下を目指す戦国大名が、日本各地に群雄割拠した戦国時代。それは日本史において、最も躍動的な時代だったといえる。乱世を駆け抜けた男たちの生きざまは、エネルギッシュで刹那的、そして風流だった。数多くの武勇伝の裏には、戦国武将たちの美学があったのだ。香道を究めた伊達政宗、茶の湯を追求した古田織部、名庭を残した上田宗箇……名だたる武人たちには、そんな知られざる才能があった。さらには、自由闊達な甲冑のデザインや、美麗なる武器の意匠、多彩な家紋のモチーフに、クリエイター一族・狩野派の輝き。時を越えて伝わる彼らの美意識は、いまなお現代人の心を揺さぶる。
目次
日本史上、最も躍動的だった150年。
天下取りを目指し、覇権を競った名将たち。
戦国の武人の、知られざる才能に迫る。
伊達政宗
奥州の猛将が見せた、雅な香人としての顔。
古田織部
乱世のエネルギーをもって、茶を革新した男。
細川忠興
名門生まれ、渋好みのマルチプロデューサー
上田宗箇
武人ならではの力強さが宿る、作庭家の仕事。
藤堂高虎
数々の名城を築き上げた、当代随一の建築家。
宮本武蔵
剣の奥義をアートに昇華させた、剣豪の眼力。
生きるか死ぬかの、戦場に映る美意識。
奇抜な甲冑は、自己主張のデザインだ。
いまや美術品、猛者が愛用した刀・槍・銃。
歴史を変えた合戦にみる、画期的な戦術。
戦に臨む決意のほどが、旗印にひるがえる。
栄華をいまに伝える、権力者たちの夢の跡。
天空にそびえる、わずか12の現存天守。
覇者たちの土の城に、思いを馳せる旅へ。
信長や秀吉の愛した絵師、狩野派の輝き。
歴史のディテールを、探り出す喜び。
家紋のデザインに、込められた重要な意味。
知らなかった! 動乱の世の意外な現実。
大河ドラマを楽しむための、戦国用語集。
味噌がなくては戦にならぬ、その理由は?
往時を彷彿させる、現代の戦祭りを楽しむ。