CREATOR 03

くっきー!
タレント

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「サドルシューズは、ガレージロックバンド御用達の一足じゃないですか。やっぱりこう、ビシッとドレッシーに行ける感じが理想ですよね」とくっきー!さん。「やるからには商品化までを目指したい」と熱い意気込みを語ってくれた。

Profile

1976年、滋賀県生まれ。94年に幼なじみのロッシーとともに野性爆弾を結成。絵画やバンド活動などを通して、アーティストとしても多彩な活躍を見せる。自身のYouTubeチャンネル『くっきー!の心を込めて』も人気。

昔からリーガルのサドルシューズを愛用しているくっきー!さんは、リーガル本社のアーカイブルームを訪れると、そこに並んだ、ブランドの歴史を彩る名品の数々を前に、少々興奮気味のご様子だ。数十年前にデザインされた靴を手に「こんなん、いま履いててもお洒落やと思うわ」と、靴好きらしくじっくりと隅々までディテールを確認する。「リーガルって、レザーシューズだけやと思ってたら、スニーカーなんかもあるんですね」と、リーガルの歴史を興味津々に学んでいく。

アーカイブルームの片隅に、くっきー!さんも愛用するサドルシューズのサンプルを発見。かつてのアイビー・ブームを支えたリーガルは、当時人気となったサドルシューズをいまでも定番としてラインアップ。幅広い世代に、タイムレスなアイコンとして愛されている。このバイカラーのサドルシューズはくっきー!さんが言う通り、ジャズやロックなど、ミュージックシーンでも幅広く愛されたマスターピース。くっきー!さんは、この一足をベースに、アイデアを広げていった。

リーガルのデザインチームと机を囲み、オリジナルシューズの構想を披露していくくっきー!さん。「そもそもサドルシューズって、ローカットのこのかたちしかないじゃないですか。でも僕は、ちょっとコンビニに行くんでも、バイクに乗るんでも、全部この靴と一緒がいいんです。だからサンダルになったり、ブーツになったり、出世魚みたいに変身するような靴にしたい」。独特すぎる発想を前に、頭を抱え込むリーガルのデザインチーム一同。しかしその瞳の奥には、メラメラと燃えるものがあった。

Complete

シルクハット¥54,780/クリスティーズ(オールドハット☎03-3498-2956)蝶ネクタイ¥11,000/ジラフ(ジラフ ワークトウ ショップ 千駄ヶ谷☎03-6455-5892) その他はスタイリスト私物

Kukki-!

「出世魚」というコンセプトの通り、ファスナーでパーツを足していけば、サンダルからローカット、ブーツ、ロングブーツ、太腿まであるサイハイブーツまで、5段階のトランスフォームが可能な夢のシューズが完成。しかもくっきー!さんはそれに飽き足らず、敏感な耳を保護する耳当ても追加でデザイン。頭の先から足の先まで、紳士のお洒落に抜かりはない。完成品を見たくっきー!さんは「さすがに商品化は無理やないですか?」とコメント。どうやら急に、独り占めをしたくなったご様子だ。

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すべてのパーツをつなげ、“出世”した状態がこちら。しっとりなめらかなレザーが素肌を包む感覚は、他の靴ではなかなか体験できない。黒とグレーのツートーンもユニーク。パーツの着脱を繰り返すと、シューレースを通す作業にも自然と手が慣れてくる。

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リーガルのデザインチームの技術が大いに発揮されたポイントが、湾曲した面へのファスナーの縫い付けだ。地味なディテールに見えるが、難易度の高さは最高レベル。このようにファスナーでパーツをつないでいくことで、出世魚のコンセプトがかたちになった。

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「こんなによい革を使い、熟練の職人さんがていねいにつくっているものを、足だけに履かせていたのではもったいない」ということで、くっきー!さんがリクエストしたヘッドフォン型アクセサリー。冗談のようなアイデアなのに、出来上がりの完成度は非常に高い。