何度でも訪れたくなる、謙虚で味わい深い福島県

  • 写真・文:鈴木修司

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ビームスジャパンの鈴木修司です。
新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。

2022年最初に紹介するのは、福島県です。
東北の玄関口でもあり、日本で三番目に大きく(面積が)、名産品が豊富にあるにもかかわらず、何かと印象の薄い県ではないかと思います。ですが、私にとっては特別な場所ですし、紹介したいものだらけなのです。

福島県は、太平洋に面する“浜通り”、県庁所在地の福島や郡山を軸とする“中通り”、会津若松を中心とする“会津”の三つの地方が縦に並ぶ特異な県です。言葉で説明すると分かりづらいかもですが、極端にいうならば三つの違う国が並び立つ県なのです。なので、各地方に素晴らしい名産品が存在し、それぞれが地理的環境や国の成り立ち、そして文化に紐づいていて多彩です。

もちろん観光地も名勝も県内に数多く、こちらも多彩です。
挙げだすとキリがないですが、個人的に大好きな会津若松の“鶴ヶ城”や、桜の名所である“二本松城”などのお城、コケシで有名な“土湯温泉”や福島市内から風情ある電車(飯坂電車)で気軽に行ける“飯坂温泉”などの温泉地、“磐梯山”や“飯豊(いいで)山”などの名山や猪苗代湖を含めて自然も豊かで、日本屈指の特徴的な文化を持つ地方“会津”もあり、相双(そうそう)と呼ばれる海沿いの地域では“相馬野馬追(そうまのまおい)”という騎馬武者が戦国時代ばりに駆け巡る貴重なお祭りがあるなど、挙げれば挙げるほどに興味深い場所です。

鶴ヶ城.jpg
大好きな会津若松の“鶴ヶ城”。

そして特筆すべきは、“日本酒王国”であるということです。
“全国新酒鑑評会”という年に一回の新酒の鑑評会があり、日本各地から集まったお酒を専門家が審査します。
なんと昨年は、これまでの記録を破り8連覇で福島県が日本一になりました。福島県内の酒蔵が獲得した金賞の受賞数が8年連続で一番になったということで、これは凄いことです。言わずもがな日本各地には日本酒の名産地も数多くあるので、それらを抑えての快挙です。
もちろん私も“福島の酒”が大好きです。お酒自体もとても美味しいのですが、福島の方々の人柄を写したかのように、料理の邪魔をしないどころか引き立てる、とても謙虚で味わい深いものです。
気になる方には是非試して頂きたいのですが、私が仕入れを担当する“ビームスジャパン”各店でも取り扱っているのでオススメです。

福島の酒.jpg
福島県内の酒蔵が獲得した金賞の受賞数が8年連続で一番に。

最後に紹介したいのは福島市のご当地グルメである“円盤餃子”。福島の餃子って意外に知られていないのですが、私の中では日本屈指のものです。市内には名店も多く、特に好きなのが写真の“満腹”さんです。ここの餃子を食べてしまうと、何年も忘れることが出来ないほどです。昨年に数年ぶりに頂いたのですが、美味し過ぎて泣けてしまいました。
そんなこんなで話をしていると、また福島に行きたくなってきました。

満腹.jpg

連載記事

鈴木修司

BEAMS JAPAN クリエイティブディレクター

1976年、三重県松阪市生まれ、ビームスと同い年です。年間120日近くを旅に費やし、日本各地の様々な場所で魅力的なモノ・ヒト・コトに関わる仕事をしています。肩書きは“BEAMS JAPAN”のクリエイティブディレクター、日本に関係することあれば比較的なんでも来いのスタンスです。大学などで講師を務めることも。『銘品のススメ』著者、『都道府県おでかけ図鑑』監修。

鈴木修司

BEAMS JAPAN クリエイティブディレクター

1976年、三重県松阪市生まれ、ビームスと同い年です。年間120日近くを旅に費やし、日本各地の様々な場所で魅力的なモノ・ヒト・コトに関わる仕事をしています。肩書きは“BEAMS JAPAN”のクリエイティブディレクター、日本に関係することあれば比較的なんでも来いのスタンスです。大学などで講師を務めることも。『銘品のススメ』著者、『都道府県おでかけ図鑑』監修。