モンブランの無酸素腕時計「1858 ジオスフェール クロノグラフ ゼロ オキシジェン」が、2つの山岳世界記録達成に同行!

  • 文:笠木恵司

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ケース内部の酸素を完全に排除した、モンブラン「1858 ジオスフェール クロノグラフ ゼロ オキシジェン」。パーツなどが酸化によって腐食することがないので、長期にわたって高い精度を維持できるという。1日24時間で1回転する北半球と南半球をダイヤル上下に配置した独特のワールドタイムにクロノグラフを搭載。

2022年5月16日、大英帝国勲章を授与されたネパール生まれの登山家、ニルマル・プルジャが2つの世界新記録を達成した。わずか8日と23時間10分でエベレスト、ローツェ、カンチェンジュンガに登頂。いずれも標高8000mを越える最高峰だが、酸素ボンベなしの最短時間で完全制覇した。この3座世界無酸素最速登頂記録だけでなく、エベレストからローツェまで同じく酸素補給なしの26時間で踏破。2座間の世界最速無酸素トラバース(斜面の横断)でも記録を更新している。

人体がもつ驚異的な可能性を実証した彼の手首に巻かれていたのが、モンブランの「1858 ジオスフェール クロノグラフ ゼロ オキシジェン」だ。12時位置に北半球、6時位置に南半球を模したドームを搭載。その周囲にデイ&ナイト表示付きの24時間計があり、2つのドームは1日24時間で1回転する。いわば向きが真逆の2つの自転する地球を、ダイヤルの上下に配置したと表現できる。この独創的なワールドタイムは、登山家たちの究極の目標である世界7大陸登頂制覇に捧げるモデルとして2018年に発表された。

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北半球と南半球、それにクロノグラフの2つの積算計をシンメトリックに配置。均整の取れたデザインに、グラッテボワゼと呼ばれる装飾技法でランダムな模様を施したブルーダイヤルが印象的に映える。「1858 ジオスフェール クロノグラフ ゼロ オキシジェン」チタンケース、自動巻き、ケース径44㎜、厚さ17.10㎜、パワーリザーブ約46時間、レザーストラップ、10気圧防水、世界限定290本。¥1,036,200

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酸素ゼロの証明書付き限定モデル

彼が着用していたのは、30分と12時間の積算計をサブダイヤルにもつクロノグラフ機構を追加したコンプリケーションだが、それだけではない。「ゼロ オキシジェン」とネーミングされているように、ケース内から完全に酸素を排除。高地での急激な気温変化で風防に曇りを生じることがなく、パーツなどが酸化して錆を生じたり腐食することもないため、長時間にわたって高精度を保持できるという。エベレストの高度29,031フィートにちなんで世界290本限定だが、酸素ゼロの証明書付き。過酷な登山に備えて、−50℃の低気温下でも粘度を維持する特別な潤滑油も使用している。

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ブルーの蓄光式蛍光を、方位、アワーマーカー、時分針に塗布。夜間や明かりの乏しい場所でも時間や方向を読み取れる。

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ブルーダイヤルには氷河を想わせる独特の模様

ケースはスチールより軽量で耐食性にも優れたチタン製。マットではなく、メタリックな光沢のポリッシュで仕上げており、ダイヤルは奥ゆきを感じさせるグレイシャーブルー。このブルーダイヤルに、伝統的な装飾技法のグラッテボワゼによる積層した氷河を想わせる複雑な模様が描かれている。外周には方位が刻まれた双方向回転ベゼルをセット。艶消しサテン仕上げのブラックセラミックが、時計全体のシルエットを引き締めている。

ダイヤル上下に配置された半球の周囲に24時間計はあっても、世界各地の都市名はない。このため、ワールドタイムというよりも、時々刻々と自転する地球をリアルタイムで表示するモンブラン独自のスタイルであり、「ゼロ オキシジェン」でなくても十分に魅力的な機能とデザインなのだが、酸素がもたらす弊害を完全に解消した先駆的な実験モデルと解釈できるかもしれない。

ケースバックにはエベレストをレーザーで彫刻。登山家や山岳ファンはもちろんだが、8000m級の最高峰が連なり、地球を眼下にできるヒマラヤ山脈の圧倒的なスケールと神々しい偉容に憧れを感じる人にオススメしたい。

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ケースバックには標高8,849mの世界最高峰、エベレストをレーザーで彫刻。チタン製のプレートに特殊な技術を使用して複雑な山肌をリアルに描いている。

問い合わせ先/モンブランコンタクトセンター TEL:0800-333-0102

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