世界水準の販売力で、日本家具メーカーの力を海外へと発信する「KOYORI」に注目

  • 編集&文:山田泰巨

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日本メーカーと国際的なデザイナーがアライアンスを組んで協業する家具ブランド「KOYORI(コヨリ)」。先月6月に開かれたミラノデザインウィークで発表され、既にヨーロッパを中心に話題になっているという。そんな「KOYORI」を立ち上げた、マルニグローバルブランディングCEOの神田宗俊に注目した。

6月28日発売のPen8月号「アイデアと行動力で世界を動かす、“仕掛け人”を探せ!」から一部を抜粋して紹介する。

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神田宗俊●マルニグローバル ブランディング CEO/KOYORI エグゼクティブ・ディレクター。1974年、広島県生まれ。住商インテリアインターナショナルでの海外セールス担当を経て、2009年にマルニ木工入社。海外事業部に在籍し、同社の販売網を30の国と地域60店舗に拡大。深澤直人の「ヒロシマ」を世界的に広めた立役者として知られる。18年にマルニグローバルブランディングを設立し、22年にライフスタイルブランド「KOYORI」を発表。これまでの海外営業力やブランド構築力を活かし、日本のものづくりを発信。Twitter:@KodaMunetoshi/Instagram:@kodamunetoshi

今年のミラノデザインウィークで世界に向けて発表された日本発のライフスタイルブランドが「KOYORI」だ。立ち上げたのは、深澤直人の椅子「ヒロシマ」を手がけたマルニ木工を母体とする、マルニグローバルブランディング。ブランドのエグゼクティブ・ディレクターを務める神田宗俊は、これまで世界30の国と地域にマルニ木工の椅子を広めてきた人物だ。

しかし、「コヨリ」にマルニ木工の名はなく、デビューコレクションの製造は同業の天童木工と飛騨産業が担当する。複数の企業が互いの利益のために提携することをアライアンスというが、ここではアライアンスブランドという仕組みを採用。マルニグローバルブランディングはディレクションと営業に特化し、製造は国内のメーカー各社が行う。神田は「この試みで優れたものづくりのできる日本企業を、世界に発信するブランドにしていきたい」と語る。

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背板と肘に5軸NC切削加工を用いた独特な形状のアームチェア「Musubi」。フランスのデザインユニット、ロナン&エルワン・ブルレックによるもので、製造は飛騨産業。 designed by Ronan & Erwan Bouroullec

デビューコレクションに並んだ5型の椅子は完成度が高く、さっそく注目を集めた。既にヨーロッパの代理店から次々と注文が届き始めていると言う。今後の世界での展開に期待が高まる。

神田はさらに、デザイナーと手を取り合って製品化を実現する技術力あるメーカーを探りたいと言い、家具だけでなくラグや照明などの開発も見据えているという。

これまで品質やデザインは評価されつつも、海外販路の開拓に失敗した日本の製品は多い。この新たな取り組みがその活路を開き、世界で愛される日本製家具のさらなる登場に期待したい。

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ライフスタイルブランド「KOYORI」

マルニグローバルブランディングによる新たなライフスタイルブランド。世界的に活躍するデザイナーと国内の優れた技術力をもつメーカーを結びつけ、その製品を国内外で販売する。同社は海外セールスを担当し、国内の販売は製造を担当した各社が担う。

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左:デンマークのデザインユニット、ガムフラテージによる椅子。こちらは天童木工の「Edaha」で、枝を思わせる脚部に葉のような座面が乗る。 右:ガムフラテージによる飛騨産業のアームチェア「Miau」。アームから背もたれまで1本の曲木で製作。 designed by GamFratesi
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左:高めの背もたれ、座の緩やかなカーブが特徴的な「Shaku」。飛騨産業によるもの。 右:成形合板を用いて背、肘、座の3次曲面を実現したアームチェア「Kawara」。こちらは天童木工製。 designed by Ronan & Erwan Bouroullec

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神田宗俊のFAVORITE THINGS

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「スニーカー」

普段から走るように心がけているという神田。コロナ禍以前は一年の大半を海外で過ごすことも多く、旅先でも街中をランニング。健康や体型を維持するとともに、思考にも刺激を与えてくれる。アディダスのランニングスニーカーを愛用し、最近買い換えたばかり。

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※この記事はPen 2022年8月号「“仕掛け人"を探せ!」特集より再編集した記事です。
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