ベッカムが語る、人生における「挑戦」とファッション哲学

  • 文:佐野慎悟
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去る6月上旬、デイヴィッド・ベッカムの来日に合わせてPenで独占インタビューを実施。終始、和やかな笑顔と紳士な対応で、我々スタッフも惚れ惚れするほどであった。

極限まで己を高めた一流のアスリートだからこそ、見えてくる景色もある。マンチェスター・ユナイテッドやレアル・マドリード、ACミランなどで活躍したサッカー界のレジェンド、デイヴィッド・ベッカム。引退後はファッションアイコンとしても注目されるが、久々の来日に合わせ、Penで独占インタビューを敢行。本誌だけに語った人生哲学、ファッションの流儀とは?

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⚫︎デイヴィッド・ベッカム(David Beckham)/1975年、イギリス・ロンドン生まれ。17歳から名門マンチェスター・ユナイテッドに所属し、10年間で6度のプレミアリーグ優勝を記録。2000年から6年間イングランド代表のキャプテンを務め、58試合に出場。2013年に現役を引退し、18年に共同オーナーとしてアメリカでインテル・マイアミCFを設立。 

「大きな壁に直面した時に大事なのは、これまで以上に努力をすること」

6月初旬、渋谷と原宿をつなぐキャットストリートに誕生した「チューダー ブティック 渋谷」。スイスが誇る名門時計ブランドの日本最大級の旗艦店となるが、オープンしたばかりの店舗前には、黒山の人だかりができていた。その中にいたのは、ブランドのグローバルアンバサダーを務めるデイヴィッド・ベッカムだ。

彼の視線の先には、チューダーが掲げるフィロソフィー「Born To Dare」(挑戦者の精神)が映し出された大型のLEDビジョンがあった。常に常識を覆しながら、あらゆるハードルを超えていこうとする姿勢を表したその言葉は、精細にして豪快なプレイスタイルのみならず、人生においても独自の道を切り拓いてきた、ベッカムの生き様そのものとも言える。

「これまでチューダーのキャンペーンを通して、マイアミの海で初めてのフリーダイビングをしたり、アルプスの高山でスノーボードをしたりと、世界中を冒険してきました。どの旅の中にも新しいチャレンジや感動があふれていて、すべての瞬間が、とても特別な記憶として心に残っています。次にどんなチャレンジが待っているのかわかりませんが、常に全力で立ち向かっていくことが、僕とチューダーのやり方なのです」

世界で最も有名なサッカー選手として知られるベッカムにも、約20年のキャリアの中には数々の正念場があったことは言うまでもない。1998年のワールドカップ決勝トーナメント第一戦で、レッドカードを受けて退場してからの数年間と、ACミランに在籍していた2010年に経験した、アキレス腱断裂という選手生命に関わるような大怪我。彼はそのふたつの出来事を、キャリアの中で最も困難な経験として記憶している。

「大きなハードルに直面した時に大事なのは、これまで以上に努力をすること。とてもシンプルなことですが、それは長いキャリアの中で学んだことです。クロスのパスがうまく入らなければ、もっと努力をしてパスの精度を上げればいい。常に自分の限界に挑み、困難な状況に立ち向かっていくという意思がなければ、それを乗り越えていくことはできません」

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「チューダー ブティック 渋谷」にて、店内を見て回るベッカム。

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プライベートでは、無類のウォッチ・ラバーとしても知られるベッカム。彼のコレクションの中には、手に取るたびに、人生のさまざまなシーンを思い起こさせる印象的な時計も多いという。

「まだマンチェスター・ユナイテッドのユースチームでプレイしていた10代の頃に、初めてもらった給料で買った時計、妻からもらった時計、子どもたちからもらった時計……。どの時計も、まるで香水の香りのように、その時計とともに過ごした特別な時間へと、僕の心を連れ戻してくれます。時折、自分のコレクションを眺めながら思い出に浸ることもありますが、どこで子どもたちが隙を狙っているかわからないから、決して油断できません(笑)。最近、SNSに投稿された息子たちの写真を見て、『待って、これ僕の時計だけど!』って驚くことが多い。急いで彼らに電話をすると、『え、なんのこと?』なんてしらばっくれて。子どもたちもみんな、僕ゆずりの時計好きに育ったようです(笑)」 

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この日は、チューダーの新作「ブラックベイ」を着用。ダイバーズウォッチの「ペラゴス」もお気に入りだという。

世界のファッションアイコンとしても注目されているベッカムだが、世代を問わず、誰もが真似をしたくなる彼のスタイルは、どのようにして生まれたのだろうか。

「イタリアに住んでいた時は、イタリア人が着るように、スペインに住んでいた時は、スペイン人が着るように、自分が着たいと思うものを大事にするのと同時に、自分の周りにある文化に溶け込むことも心がけてきました。自分の知らない新しいスタイルにチャレンジすることも、センスを磨くためには大事なことだと思います。着こなしの中でも時計は特に重要で、自分のステートメントを表すもの。だから僕は、どこに出かける時でも、なによりも先に腕時計を決めてから、それに合わせて服を選ぶようにしています」

引退から10年経ったいまでも、さらなる飛躍に向けて日々挑戦し続けているベッカムの姿は、若かりし現役の頃にも増して、誰の目にも魅力的に映る。

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ブティック内にはベッカムのサインもあるので、ぜひ足を運んで確認してみてほしい。

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ベッカム愛用の腕時計はコチラ!

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チューダー「ブラックベイ」/取材当日にベッカムが着用していたのが、コチラの新作。時計業界において最も厳格な基準とも言われるMETAS認定のマスター クロノメーターを取得した自社製ムーブメントを搭載。超高耐磁性能を誇り、高い精度や防水性、パワーリザーブの正確性なども証明されている。自動巻き、SSケース&ブレスレット、ケース径41㎜、パワーリザーブ約70時間、200m防水。¥572,000/チューダー(日本ロレックス / チューダー TEL:0120-929-570) 

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チューダー「ペラゴス FXD」フランス海軍特殊部隊との共同開発により独自の特殊機能を備えたダイバーズ。ベッカムは愛用モデルについて「マイアミCFを始めた時に家族からプレゼントされた、ダイヤルにチームのロゴが入った特別なペラゴスが、僕のチューダーの中でいちばん貴重なモデルかな」と語る。自動巻き、チタンケース、ケース径42㎜、パワーリザーブ約70時間、ファブリックストラップ、200m防水。¥524,700/チューダー(日本ロレックス / チューダー TEL:0120-929-570)

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日本最大規模の品揃えを誇る、チューダーの旗艦店が渋谷にオープン

渋谷と表参道を結ぶキャットストリートにオープンした、2フロア構成のフラッグシップショップ。日本国内では初めて技術者が常駐する「ウォッチテクニカルルーム」と、幅4mを超える大型LEDビジョンを設置している。店内にはベッカム直筆のサインもあるので、ぜひ訪れてみてほしい。

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上:ブランドカラーである赤を基調とした外観。 下左:国内最大級の品揃えを誇る1階スペース。 下右:2階にはゆったりとくつろげる空間が広がる。

チューダー ブティック 渋谷

東京都渋谷区神宮前5-17-20 1・2F
TEL:03-6419-3500
営業時間:11時~19時 定休日:水曜日