1828年の創業以来、「シャリマー」や「ミツコ」など、時代を超えて愛される名香を生みだしてきたゲラン。そんなメゾンのDNAを体現する最高峰の「ラール エ ラ マティエール」コレクションに新作「ネロリ プラン シュッド」が仲間入りした。『星の王子さま』の著者であり、偉大な飛行士でもあったアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの処女作『南方郵便機』にオマージュを捧げた逸品だ。

不朽の名作『星の王子さま』を読んでいても、『南方郵便機』を手に取った人はそう多くないだろう。この処女作はサン=テグジュペリがサハラ砂漠の中継基地キャップ・ジュビー飛行場長時代に、若き日の自分の姿や飛行士としての経験をもとに描いたとされる物語。主人公のベルニスはフランス・アフリカ定期路線を結ぶ郵便飛行士で、フランスを出発した飛行機はヨーロッパを縦断し、モロッコに向けて南下していく。
ゲランの調香師デルフィーヌ・ジェルクは物語の主人公であるベルニス、そしてサン=テグジュペリ本人の軌跡を辿り、その情景を見事に「ネロリ プラン シュッド」に閉じ込めた。トップノートは目も眩むほどのフレッシュなネロリで満たされ、モロッコの澄んだ青空の下、辺り一面に広がるビターオレンジの農園に誘われる。何百本もの木々のあざやかなグリーンと、葉が揺れる度に煌めく陽光、控えめに咲く小さな白い花……。
この香りを表現するため、調香師のチームが訪れたのはモロッコの都市・ケミセット。太陽の陽射しをたっぷり浴び、アトラス山脈から吹きすさぶ風に鍛え上げられたビターオレンジの花を探し出した。有機栽培で大切に育てられ、夜明けとともに手摘みされるその花は、この上なく美しい香りを放つ。収穫された花は現地で水蒸気蒸留され、「ネロリ プラン シュッド」の核となるフレッシュなフローラルノートを放つネロリエッセンスが抽出されるのだ。

さらに航路は南下し、しばらくすると現れるのは、地平線の彼方まで伸びる灼熱のサハラ砂漠。シナモンやターメリックのスパイスの温もりが砂漠の熱い砂を表し、飛行機の軌道に乗って運ばれたネロリの爽やかなトップノートと、鮮やかなコントラストを描き出す。そのコントラストは、モロッコの乾いた空気のような極上のベチバーと、温かく滑らかなサンダルウッドに包み込まれ、ラストは深いウッディノートに昇華していく。
これまでも自然が生み出す類稀なる素材を求めて、世界中を旅してきたゲランの調香師だからこそ、サン=テグジュペリが愛したモロッコの情景や、留まることのない冒険心、旅への情熱を「ネロリ プラン シュッド」で表現し尽くせたのだろう。
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実はゲランとサン=テグジュペリのつながりは深く、1920年代後半まで遡る。ゲランの3代目調香師ジャック・ゲランと彼は、芸術や文学、旅行への情熱を共有する友人だった。異邦の地への探究心に刺激を受け、ジャックはサン=テグジュペリの作品を通して多くのインスピレーションを得ていたそうだ。
その証がサン=テグジュペリが『夜間飛行』を上梓した2年後、1933年に発売されたフレグランス「夜間飛行」にも表れている。運命の夜間飛行によって永遠に引き離されてしまう若い恋人たちを描いた小説にインスピレーションを得て、ガルバナムのグリーンやウッディ、そしてスパイシーな香りを融合した唯一無二のマスターピースを生みだした。

それから90年を経て誕生したのが、世界限定1000点のみつくられた「ネロリ プラン シュッド」のコレクター エディションだ。アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ・ユース財団とのコラボレーションにより、ボックスにはサン=テグジュペリが原稿や私文書に描いたイラストが散りばめられている。さらにボトルキャップのプレートには、オレンジ色に輝く地平線のような美しいグラデーションカラーをセレクト。「ラール エ ラ マティエール」コレクションでは、プレートやネックのコード、シールの色をカスタマイズできるが、同コレクションのすべてのフレグランスにこのプレートを選ぶことができる。
また、「ネロリ プラン シュッド」やサン=テグジュペリの世界観を堪能できるイベント「ラール エ ラ マティエール 香りのトラベルダイアリー展」が、東京・代官山の蔦屋書店のラウンジ「Anjin」にて2月13日まで開催中。「ネロリ プラン シュッド」にインスパイアされたオリジナルドリンクの提供のほか、会場内のカフェを利用した人には特別なギフトも数量限定で用意している。
サン=テグジュペリが見た、砂漠と海に抱かれたモロッコの大地。その熱気と爽快さを香りを通してぜひ追体験してみてほしい。きっと、どんな冒険にも匹敵するロマンを感じられるはずだ。
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