感動的な結末へと導く、旬のチェロ奏者が掘り下げた傑作

  • 文:小室敬幸(音楽ライター)

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【Penが選んだ、今月の音楽】
『ドヴォルザーク:チェロ協奏曲』

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笹沼樹&スロヴァキア・フィル オクタヴィア・レコード OVCL-00828 ¥3,850

世界的な一流音楽家との共演も多いカルテット・アマービレの一員としてだけでなく、ソロはもちろん、オーケストラで客演首席などと多彩に活躍して注目を集める若きチェロ奏者が、初めて管弦楽とCDを録音。まるで人生そのものを思わせるチェロ協奏曲の最高傑作を、まだ20代とは信じ難いほどの深さで掘り下げてゆく。場面に応じてオケとの寄り添い方を巧みに変えるのは前述した経験ゆえだろう。第3楽章冒頭で感じられる陰りには、それでこそ結末の泣ける展開が活きてくるのだと唸らされた。お見事!

※この記事はPen 2024年2月号より再編集した記事です。