DNA合成により“龍の肉”が誕生? この夏、国立新美術館で未知との遭遇を

  • 文:柳澤奈々
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2024年8月より国立新美術館にて展示される「龍肉」。空想の生物“龍”を、DNA合成により誕生させる。

この夏、いまだかつて見たことのない“肉”が誕生する──。クリエイティブ集団、LOM BABYが生んだ最新バイオアート「龍肉」こと“龍の肉”が、今年8月、国立新美術館にて展示される。

古くから日本人にとってゆかりのある存在で、2024年の干支でもある辰(=龍)。天に登っていく縁起のいいイメージから、龍にまつわる神社や開運スポット巡りも人気だ。そんな架空の生物であり、伝説の存在である龍の“肉”を誕生させたのは、「生命の誕生」をテーマに人口生命体の開発を行うアーティスト、エンジニア、学者からなるクリエイティブ集団、LOM BABYだ。

彼らはニューヨーク・ワールドトレードセンターでの発表を皮切りに、国内での個展を成功させると、パリのグラン・パレでは2日間で約4500万人を動員。東京・銀座にて行われた大規模アート展「LOM BABY_PLUS ULTRA」では、展示作品のすべてが完売するなど、国内外から大きな評価を得た。

LOM BABYが今回、世に送り出す作品「龍肉」は、さまざまな伝承に基づき、龍を構成する動物や細菌のDNAを合成することでつくり出した“龍のDNA”を用いて生成したという。

また同展では、LOM BABYのテーマである「データに愛を持つのか」を探求する作品も公開。人工細胞にブロックチェーンを移植し、人類の感じる生命の在り方を追い求める。さらに、4組のデジタル・バイオアーティスト、生物学者が集結し、「ヒトの糸」や「細胞リング」、「電気ネズミ」、「発光する服」なども発表予定だ。

展示に先駆け、6月28日(金)には東京・渋谷のTRUNK(HOTEL)にてイベントが行われる。未知の領域に足を踏み入れてみては。

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