これひとつで時代感UP!コンサバ脱却の大人ワードローブ8選<前編>【着る/知る Vol.178】

  • 写真・文:一史
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2000年代リバイバルのY2K(ワイツーケイ)、女性と共通するジェンダーレス、一点モノのリメーク古着など、トラッド世代の大人男性もチャレンジしたくなるほど現代のファッションは刺激的だ。そこで今回お届けするのが、コンサバ脱却を目指す人のための買い足しアイテム。いつもの服装に取り入れるだけで印象がモダンに変わる。全8アイテムのうち今回の前編では4アイテムにフォーカス。持っていてソンなしの、2024年新定番ワードローブをチェック!

スニーカーはメタリックにダッドに攻める/asics

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アシックスの7月展開ラインナップより。どれもY2Kのアーカイブをベースにして現代の機能を加えたハイテクモデル。

服装をアップデートするとき、もっとも近道になるのがシューズを変えること。服がベーシックでもシューズが現代的だと新鮮な着こなしになる。まずは旬のスニーカーを1足手に入れよう。
エッジーなお洒落層にいま大人気なのが、2000年代モデルをベースにしたスポーツスニーカー。複雑なパーツを配してメタリックに輝くスニーカーが熱い。世界的にそのシーンをリードしているのが日本のアシックスだ。「迷ったらアシックス」そのようにブランド選びしても間違いないほど、どのモデルにもパワーがある。
どうせなら派手すぎるくらいのデザインで攻めたい。女性ファッション誌も24年はトレンドとしてシルバーシューズをよく特集している。彼女たちの感性とも共通するスニーカーは、ジェンダーレスという大きな時代の動きにもよく合っている。

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2008年アーカイブの「GEL-NIMBUS 10」のソールを変えた新製品「GEL-NIMBUS 10.1」。¥20,900/アシックス
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こちらも「GEL-NIMBUS 10.1」。ハイテクなソールは「GEL-KAYANO 14」と同様のもの。¥20,900/アシックス
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マットな風合いで服に合わせやすい「GEL-NYC」。2000年代初頭の「GEL-NIMBUS 3」がベースだ。GEL(ゲル)とはアシックス独自のクッションシステムのこと。¥18,700/アシックス

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バッグこそカラフルに、透ける素材でさらに軽く/texnh

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男性が肩に持つトートは、コットンキャンバスとPVCのミックス。軽快でタフな新メンズバッグだ。¥26,400/テクネ

冬と同じ黒のトートやリュックを夏も持ち歩くと、服装が重い印象になりがちなもの。黒は汚れると貧相に見え、さらに暑苦しくなる懸念もある。足元を白スニーカーにする軽見えコーデと同様に、バッグも夏向けに涼しくしてはいかがだろうか。
ここに提案するのはグリーン色が太陽の光に映えるトート。色以上に特徴的なのが、PVCのビニール素材を大胆に使っていること。側面の片方と底面で中身が透けるビーチリゾート感覚だ。“シアー”などと称される透け素材は近年の素材トレンド。男性には馴染みが薄くても、形がトラッドなこのトートなら導入しやすいはず。シアー入門編としても、夏向けバッグとしても最適なアイテムだ。

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海に浮かぶガラスのボートがイメージされたデザイン。キャンバスの内側もPVCで覆われ、大ポケットとして機能している。
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片面はPVCが表側になった左右非対称デザイン。こちらもポケットとして上からモノを入れられる。

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シルバー小物入れでシンプルな服装に動きを/Tom Wood

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リサイクルのスターリングシルバーでつくられたペンダントトップつきネックレス。¥187,600/トムウッド

夏のシンプルな装いに何か足したいとき、候補になるのがシルバーアクセ。ただし時計、帽子、ベルトなどと違い、ジュエリーは身を飾るだけのお洒落グッズ。プラスアルファの実用性があれば、使うシチュエーションがもっと広がりそうだ。
こうした意味のある装いができる逸品をトムウッドがリリースした。細いチェーンの先端に洗練されたフォルムのオブジェがついたロングネックレスである。ジェンダーレスでクリーンなデザイン。スタイリッシュなこのオブジェは、実は小物入れだ。パカッと開いて中にモノを収められる。トムウッドはこの製品をジュエリーを入れる財布(ジュエリーパース)と呼んでいる。
収納力が限られる小型サイズだが、役立つことが男ゴコロに響く。例えばポプリのような匂い袋を入れ、仕事先のデスクで蓋を開けてみるのもよさそうだ。このアクセがあれば日常がきっと潤ってくる。

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斜めがけが似合う佇まい。シンプルな服装をモダンに格上げしてくれる。全身黒のモード服との相性もいい。オブジェにやや重さがあるが、ロングネックレスとして首に掛けるのもOK。
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サプリメントや小銭を入れられるほどの大きさ。ジュエリーケースとしても機能する。

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新品ボディ+古着パーツで清潔に愉しむ古着ライフ/m.t.d 

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半袖、長袖のTシャツ2点ともに、新品Tシャツに古着を取り付けたドッキングアイテム。半袖 ¥9,900、長袖 ¥11,000/エム.ティー.ディー

個性的な服を気軽に入手できる古着には、大人層も夢中にさせる魅力がある。人気を代表するアイテムのひとつがプリントTシャツだ。ただし下着に近い服なだけに、誰かが着込んだ痕跡があると距離を感じてしまうことも。古着好きの間でも、「Tシャツだけは着にくい」との声も聞かれるほどだ。
そんな古着Tシャツを楽しく活用したのが、ここに掲載するアップサイクルブランドのエム.ティー.ディー。新品の既存のボディに窓にくり抜いた古着Tシャツをパッチワーク。これによりブレザーのインナーにプリントTシャツを着るような、遊び気分の着崩しを古着で愉しめるようになった。
ボディの風合いにも上品さがあり、まさしく大人こそが似合うハイセンスなアップサイクルウェアだ。

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古着好きでなければモチーフがそれと気づかないほど自然にボディに溶け込んでいる。ボディの素材はオーガニックコットン。
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古着のカットを丸くしたことで穏やかな表情に。カルチャー系が多い古着シーンとは別方向のグローバルなテイストだ。

asics

www.asics.com

texnh

https://texnh.jp/

Tom Wood

www.tomwoodproject.com

m.t.d

www.oan-mtd.online

 

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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