「紫外線」の正体とは?日焼け止めの選び方を知ろう【グルーミング研究所】

  • 文:力石恒元(S/T/D/Y)
  • 写真:丸益功紀(BOIL)
  • イラスト:naohiga
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資生堂 メン/クリアスティックUV プロテクター

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20g ¥4,180/SHISEIDOお客さま窓口 TEL:0120-587-289

伸びやすさ ★☆☆
香りの強さ ★★☆
携帯性 ★★★

いつでもどこでも、手を汚さずに塗れるスティックタイプ。日中の強力な紫外線からだけでなく乾燥や空気中のちり、ホコリなどの環境ダメージからも肌を守ってくれる。熱や汗、水によって防御膜が強くなる独自のシンクロシールドを搭載。

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ポーラ/B.A ライト セレクター N

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45g ¥12,100/ポーラお客さま相談室 TEL:0120-117111

伸びやすさ ★★★
香りの強さ ★★☆
携帯性 ★★☆

紫外線やブルーライト、近赤外線をカットするとともに、肌に好影響を与える波長域620~660nmの赤色光を透過。紫外線によりベールのハリが高まる「光ハリベール処方」を採用する。オリジナルの美容成分を配合し、クリアで健康的な肌に導く。

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カネボウ/チアリング ミスト UV

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30mL ¥3,300/カネボウインターナショナルDiv. TEL:0120-518-520

伸びやすさ ★★☆
香りの強さ ★★★
携帯性 ★★★

ワンプッシュで心地よいミストがすみずみまで届き、手で馴染ませるだけで瞬時に均一に広がり、ジェル膜に変化する。ナイアシンアミドなど保湿成分を配合し、肌にツヤと潤いをプラス。フローラルの香りが気分も癒やす。

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イニスフリー/グリーンティー ヒアルロンサン セラム

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50mL ¥2,560/イニスフリーお客様センター TEL:0800-800-8969

伸びやすさ ★★★
香りの強さ ★☆☆
携帯性 ★★☆

当ブランド特有の美容茶葉やヒアルロン酸を配合し、紫外線対策をしながら瑞々しい肌に整える。韓国でのヴィーガン認証取得やサンゴに有害な成分の無配合など、肌と地球に優しい処方が魅力。ミルキーなテクスチャーで肌に馴染む。

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①pen_グルーミング研究所_藤村さん.jpg

今年の夏も、強烈な日差しが降り注ぐ。さまざまな肌トラブルを引き起こすのが「紫外線」だ。そこで今月は男性美容研究家の藤村岳さんを迎え、紫外線の基本知識と日焼け止めの選び方を聞いた。

――この夏も日差しが強く、身の危険を感じるほどです。

藤村 人間の身体にとって太陽の光は、”百害あってちょっとの一利あり”。紫外線量は5〜8月頃が多いですが、一年中降り注いでいるので、常に日焼け止めを使って肌を守ることが大事です。

―― その“百害”とは……?

藤村 シワやたるみ、シミをはじめとする肌、身体へのダメージです。紫外線は大きく分けるとA波、B波、C波に分けられ、C波はほぼ地上に届かないので、A波とB波が肌に影響を与えます。

――それぞれ異なる肌への影響があるのでしょうか?

藤村 A波は長い波長を持っており、肌の奥の真皮まで入り込み、細胞内に活性酸素を発生させ、肌にハリをもたらすコラーゲンやエラスチンを変性させてシワやたるみの原因となるんです。さらに表皮では紫外線を吸収すると黒い色素のメラニンを出して皮膚を守ろうとするので、日焼けが起こります。B波は短い波長を持ち、直接肌にダメージを与え、「サンバーン」と呼ばれる肌が赤くなる火傷を引き起こします。肌を守るために生成されたメラニンは通常新陳代謝で排出されますが、長年ダメージを受けているとDNAが損傷を受け、メラニンがつくり続けられるエラーが起きて、シミやそばかすになってしまうんです。これらを「光老化」と呼んでいます。

―― 太陽の光から、それほど大きいダメージを受けるんですね。

藤村 そうなんです。ちなみに近年は、太陽の光にも含まれ、LEDから出るブルーライトを夜間にも浴び続けることで自律神経を乱すことや、電子機器からも出る近赤外線もシワ、たるみにつながることが指摘されています。

―― そうなると、“ちょっとの一利”が気になりますが……。

藤村 紫外線を浴びることで、免疫力アップやガン予防などの効果があると言われているビタミンDを体内で生成することができます。ですがビタミンDは食事やサプリメントで摂ることもできるので、肌ダメージを考えると、無防備に浴びることはお薦めしません。

――日焼け止めを選ぶ基準は?

藤村 日焼け止めを見ると「SPF50+」や「PA++++」と書いてありますよね。SPFはB波に対して「1㎠あたりに2㎎を塗ったら、塗らないときに比べてどれだけの時間、紫外線から守ってくれるか」という指標で、数字が大きいほど守る時間が長く、SPF50なら50倍長く守ってくれます。PAはA波に対しての指標で、+〜++++の4段階で表します。真夏に外に出かける人は基本、最高値の日焼け止めを選んでいただければ間違いないと思います。今回紹介するアイテムはすべて最高値のものですが、日照時間が短い季節やおもに屋内で活動する人はSPF30前後でもよいでしょう。

―― なるほど。SPFはいわゆる“防御力”だと思っていました。

藤村 指標はあくまで時間です。汗を拭いたり、擦ったりすると取れるので、塗り直しが前提なんです。なので、長く使い続けるためにも、選ぶ基準として自分に合う“使用感”は大事。いまはクリームやスプレーなど多くのタイプがあり、さまざまな香りや美容成分も含まれています。使いやすい、つけ心地が軽い、肌にしっかりと密着する、プラスアルファの機能がほしいなど、日焼け止めの性能とのバランスを見てみてください。お店に行ってテスターを試して、自分にとってのベストを探してほしいと思います。

男性美容研究家 藤村 岳

シェービングを中心に据えた独自の男性美容理論を打ち立て、男性美容のパイオニアとして活動中。数々のメディアへの出演のほか、講演やイベント、男性用コスメの開発、プロデュースを行う。

※この記事はPen 2024年10月号より再編集した記事です。