近代から現代までの色彩に焦点を当てた展示からル・コルビュジエによる展示まで【今月の展覧会2選】

  • 文:河内タカ(アートライター)
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近代から現代までのアートにおける、色彩論や色の役割について考察する

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ロベール・ドローネー『傘をさす女性、またはパリジェンヌ』1913年 ポーラ美術館

印象派の画家たちはチューブから出した絵の具を活用し、色彩豊かな絵画を追求した。そこから光学理論を採り入れた点描技法を生み出したのがジョルジュ・スーラだった。さらにロベール・ドローネーは幾何学的な抽象絵画によって、またモーリス・ルイスやケネス・ノーランドは大画面の絵画によって色彩あふれる独自の作品を制作した。本展は印象派から近現代アートにおける芸術家たちの色彩に対する取り組みに焦点を当て、色彩論や色そのものの役割について考察する。

『カラーズ ― 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ』

開催期間:~25/5/18
会場:ポーラ美術館
TEL:0460-84-211
開館時間:19時~17時 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:無休
料金:一般¥2,200
www.polamuseum.or.jp

 

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実は画家としても活躍した、ル・コルビュジエの芸術にフォーカス

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ル・コルビュジエ『マッチ箱と二人の女』1933年 森稔コレクション蔵

ル・コルビュジエのパリのアパートメントはいまも残されていて見学ができるのだが、そこでいちばん大きな空間が絵を描くためのアトリエだ。彼は午前中はここで絵を描いて過ごし、昼から事務所に向かって建築の仕事をしていたという。本展は1930年代以降のル・コルビュジエが制作した絵画、彫刻、素描、タペストリーにスポットを当て、レジェやアルプやカンディンスキーといった同時代作家の作品を対峙させるなど、芸術家ル・コルビュジエの新たな姿を浮き彫りにする。

『ル・コルビュジエ 諸芸術の綜合 1930-1965』

開催期間:25/1/11~3/23 
会場:パナソニック汐留美術館
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル) 
開館時間:10時~18時(2/7、3/7、14、21、22は20時まで) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:水曜日(3/19は開館) 
料金:一般¥1,200
https://panasonic.co.jp/ew/museum
※本展は、ル・コルビュジエ財団の協力のもと開催されます

※この記事はPen 2025年2月号より再編集した記事です。