パテック フィリップの今年の新作は、複雑モデルが続々登場。「Twenty~4」コレクションにも初のコンプリケーションとして永久カレンダーが誕生した。「CUBITUS（キュビタス）」には直径40㎜のミディアムサイズが加わった。2025年に発表された新作をまとめてお届けする。

1. グランド・コンプリケーション Ref.5308

「グランド・コンプリケーション Ref.5308G-001」はトリプルを超えた、４重＝カドラプルの複雑時計。2011年に発表されたミニット・リピーター、クロノグラフ、瞬時日送り式永久カレンダー搭載のトリプル・コンプリケーション「5208」モデルを進化させ、クロノグラフにスプリットセコンド測定の機能を加えた超絶コンプリケーションである。そもそもは「ウォッチアート・グランド・エキシビション（東京2023）」で初公開されたプラチナ仕様スペシャル・エディションが、今回、ホワイトゴールド・バージョンで正式にコレクションに加わったのである。曜日・日付・月表示を0.03秒で瞬転させ、2本のクラシック・ゴングで時を奏でるラトラパンテは、夢のような技術的達成の成果だ。

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2. グランド・コンプリケーション 6159

時分針と同軸のレトログラード針で示す日付表示針を備え、12時・3時・9時方向の表示窓で閏年・月・曜日を表示する、ムーンフェイズ装備の永久カレンダー。2025年の新作として披露されたのは、外周に向かって濃くなるブラック・グラデーションのグレー・メタライズ加工が施されたサファイアクリスタル文字盤だ。ムーブメントの精緻な構造を視覚的に楽しむことができるモデルは、パテック フィリップの独創的なコンプリケーションの革新的・現代的な再解釈である。ベゼルとケースバックには、ブランドを象徴するギョーシェ装飾「クルー・ド・パリ（ホブネイル）」モチーフが施され、クラシックな美を強調。3気圧防水でファブリック柄のブラック・コンポジット製ストラップの仕様は、コンプリケーションの日常使いを心理的負担なく可能にする。

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3. カラトラバ 8日巻 5328

手巻きの「カラトラバ」は、機械式腕時計のひとつの完成形と目される存在だ。その古典に、8日間のパワーリザーブを与えたモデルが「カラトラバ 8日巻 5328G」である。動力ゼンマイはツインバレル、12時位置のパワーリザーブ・インジケーターは1日ごとの残量を刻み、9日目をレッドゾーンで警告する。表示窓の曜日とポインター式日付表示は、毎晩真夜中にジャンプする瞬転が見ものでもある。文字盤はブラック・グラデーションが美しいテクスチャード・ブルー、ケース側面はクルー・ド・パリ（ホブネイル）のギョシェ装飾で彩られる。ストラップは、ネイビーブルーのファブリック柄カーフスキンと、グレイン仕上げのトープ・カーフスキンの2本。特許取得の新しい3ブレード・ホワイトゴールド折り畳みバックルを装備し、工具なしで簡単に交換できる。

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4. グランド・コンプリケーション 5370

名品の評価が揺るがないスプリットセコンド・クロノグラフ「5370」の最新バージョンが、初のローズゴールド仕様として登場した。文字盤のベースは、18金ゴールド製のプレートにブラウンの本七宝（エナメル）。さらにサブダイヤルとタキメーターをベージュのシャンルヴェ・エナメル（生地彫り七宝）で仕上げるという、それだけでも贅沢極まりない手作業による逸品である。搭載ムーブメント「CHR 29-535 PS」は、コラムホイール・水平クラッチ・手巻きという、高級機械式クロノグラフの伝統そのものを踏襲したもので、目にも美しい。いっぽうスプリット秒針機構の改善による新特許を含む、7件の技術特許が活かされた最新版だ。新しい3ブレード・ローズゴールド折り畳み式バックルも特許を取得している。

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5. TWENTY~4 Ref.7340/1

「TWENTY~4」コレクション最初のコンプリケーション・ウォッチとして発表された、永久カレンダー搭載モデル。初めての、宝石をセッティングしない「TWENTY~4」でもある。そもそもコレクション自体はレディス向けだが、36ミリの自動巻永久カレンダーにはジェンダーを超えた、エレガントで繊細な魅力がある。文字盤は２種類あり、山東絹を思わせる縦横二重のサテンが交差するシルバーダイヤルと、モダンなオリーブグリーンのソレイユ仕上げ。どちらも高い視認性と優美さを両立する。超薄型自動巻キャリバー「240 Q」を収めたローズゴールドケースは厚さ9.95㎜の薄型設計。ブレスレットは、4点止め構造を採用した特許取得の折り畳み式バックルを装備し、機能性と装着感にも優れている。

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6. コンプリケーション Ref.4946R

直径38㎜のローズゴールドケースで登場した、エレガントな年次カレンダー搭載モデル。1996年にパテック フィリップが発明、特許を取得した独創的な年次カレンダー機構を、宝石装飾なしでデビューさせた。文字盤には山東の絹織物を思わせる縦横サテン仕上げが施され、チェストナットブラウンの色調が温かみを醸し出す。搭載ムーブメントの自動巻キャリバー「26-330 S QA LU」は、曜日・月を指針表示、日付を窓表示する。ムーンフェイズやセンターセコンドも備え、月末の30日・31日を自動判別し、調整の必要は年一度、2月末のみで済む。ストラップはデニム調のチェストナット・カーフスキンにクリームステッチを施し、ローズゴールドのピンバックルを添えた。

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7. コンプリケーション 5524

「カラトラバ・パイロット・トラベルタイム」を現代的に再解釈したタイムピースだ。ホワイトゴールド製ケースに、エレガントなラック・アイボリー文字盤とファブリック調カーキグリーン・コンポジットのストラップを組み合わせ、洗練された個性を演出している。搭載ムーブメントの自動巻キャリバー「26-330 S C FUS」は出発地と現地の2タイムゾーン表示、昼夜表示、さらに6時位置の日付指針表示が現地時刻に自動同期する仕組みを持つ。タイムゾーン調整ボタンには特許取得のセキュリティー機構が備えられ、誤操作を防止する。

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8. カラトラバ Ref.6196P

ブランドの美学を体現する、タイムレスなエレガンスを備えた手巻モデル。プラチナケースに、ヴィンテージ感漂うローズゴールドめっきのオパーリン文字盤を組み合わせ、上質な存在感を放つ。文字盤にはアントラサイト仕上げのホワイトゴールド製ファセット《オビュ（弾丸）》型アワーマーカーが配され、上品な輝きを添えた。側面をサテンに仕上げた38㎜ケース、ベベルカットのベゼル、スリムなラグの一体感あるスタイルは文句のつけようがない。6時位置にはさりげなくダイヤモンドがセッティングされている。

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9. CUBITUS（キュビタス）Ref.7128／1

最新のコレクションである「CUBITUS（キュビタス）」に、直径40㎜（10〜4時位置）の新たなミディアムサイズが加わった。すべての手首にフィットする洗練されたデザインを追求し、ホワイトゴールドモデルとローズゴールドモデルの２型を展開する。スクエアフォルムに丸みを帯びた角を備えるケースは、ポリッシュと縦サテンの仕上げを組み合わせた造形が洗練された印象だ。水平エンボス・パターンとホワイト夜光付きのバトン型インデックスが配された文字盤は、ホワイトゴールドはデリケートな色合いのブルーグレー、ローズゴールドにはエレガントなブラウンのソレイユ仕上げが施される。