【いきものがかり水野良樹が語るドリカム】路上ライブ時代に感じた、『未来予想図Ⅱ』の引力

  • 編集&文:杉本勝彦
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喜びや挫折からなにげない日常の風景まで、人生に寄り添ってくれるドリカムの音楽。メンバーから「ベイビーズ」と呼ばれるドリカムファンたちに、好きな楽曲を選んでもらい、自身とドリカムにまつわるエピソードを訊いた。今回は、いきものがかり水野良樹が、路上ライブ時代を振り返りながら語る。

DREAMS COME TRUEが9年ぶりとなる待望の最新アルバム『THE BLACK ○ ALBUM』をリリースする。J-POP が新たな地平に立ついまだからこそ、ドリカムが鳴らす鐘に耳を澄ませ、その“引力”を存分に語り合おう。

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世代を超えて届く歌があることを、「未来予想図Ⅱ」に教わった

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水野良樹●アーティスト。1982年、神奈川県生まれ。99年に、いきものがかりを結成。2006年にメジャーデビュー。ソングライターとして多くのアーティストに楽曲提供を行うほか、実験的プロジェクト「HIROBA」の企画や小説執筆など、個人の活動も行う。

ドリカムと同じ女性1名男性2名の構成でデビューし、誰もが口ずさめる良質なポップスを送り出してきた、いきものがかり。大部分の楽曲を手掛ける水野良樹が初めて買った女性ボーカルのシングルは「サンキュ.」だった。ドリカムは水野の音楽的ルーツのひとつであり、自身の活動においても不可欠な存在だと語る。

「僕らの路上ライブ時代の“推し曲”が『未来予想図Ⅱ』。この曲を演奏すると女子高生からサラリーマンまで足を止めてくれたんです」

世代を超えて届く歌があることを、水野はこのとき実感した。初めて観たライブでこの曲を聴いたときの印象はいまも鮮明で、演奏が始まると会場の空気は一変し、観客はそれぞれの思い出に浸るような表情を浮かべていたという。

「僕も人に寄り添える、『これは自分の曲だ』といえる作品をつくりたいと思った瞬間でした」

2014年に公式カバーした際、中村からこの曲の長いアウトロについて話を聞いたという。

「無駄のない、完璧なメロディと歌詩なのに、なぜアウトロで半音濁るベースの音を鳴らし続けているのか。中村さんに聞くと『完璧すぎるとつまらないから、あえて不穏な要素を加えてその先の完成度を目指した』という話をされて、妙に納得したんです。一見わかりやすいものでも、よく見るとどこかに違和感がある。そういうものこそ、普遍的だと思うので」

そんな水野の原体験を象徴する記憶が、少年時代にもある。家族での車中、「LOVE LOVE LOVE」のCDをかけると母親が「この曲いいね」と口にした。当時は思春期で親とも距離を感じていた頃。「母親もわかるんだ」と心がゆらいだことを、いまもよく覚えている。

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路上ライブ時代のいきものがかり。さまざまな通行人が行き交う路上では「目の前の人に、どれだけ足を止めてもらえるかを考え演奏した」と水野は振り返る。

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My Favorite 3 Songs

「サンキュ.」

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女性ボーカルのCDを買うことに気恥ずかしさもあった小学6年生の頃、男女混合でジャケットもお洒落だから買えたという思い出の一枚。

「未来予想図Ⅱ」 

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路上ライブ時代の推し曲。公式カバーした際に、ボーカルの吉岡聖恵はドリカムのライブ音源を聴いて、アウトロのフェイクを完コピしたという。

「LOVE LOVE LOVE」

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水野が「最後のリフレインが印象的」と語る曲。ひとりの声だけでなく、複数の声が重なって聴こえる構成に、当時新鮮さを覚えたという。

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