7年前にデビューして以来、世界的に大ヒットしている現行「ディフェンダー」。日本でも売れていて、ディーゼルモデルを中心にSUV愛好家の手堅い支持を得ている。それに伴ってか、ラダーフレームの旧型も都内で頻繁に見るようになった。旧型の軍用車のような無骨さを愛するファンは、昔のメルセデスのGクラスとどちらにするか頭を悩ませているに違いない。
“最速の世界一周車”を、市販車で選ぶなら
嗚呼、うらやましい。その点、現行モデルはモノコックボディで大幅に進化した乗り味と、扱いやすさが魅力な訳で、オフロードの走行性能を突き詰めるとラリーレイド仕様になっていく。20年以上前にダカールラリー(パリダカ)を連覇した三菱の増岡浩は言っていた。「世界一周するなら、(優勝した)『パジェロ・エボリューション』が最も速い」ってね。
つまり、あらゆる道を最短かつ最速で走れる世界最高のクルマ。「パジェロ・エボリューション」はあくまでも競技用につくられたWRカーだけど、2026年に世界一周するにあたって、我々が手に出来る、最も速い市販車を選ぶなら、この「ディフェンダー・オクタ」一択。「オクタ」は2026年のダカールラリーで、最も市販車に近いストック部門でデビュー年ながらクラス優勝を果たした。マジで快挙すぎる訳だが、ベース車両になったこの「オクタ」に乗ってみると、その理由は十分すぎるほどわかるのだった。
まず“オフロードを世界一速く走るため”の「オクタモード」がヤバい。エンジンはBMW由来の4.4L V8なのに、アクセルを踏めばOHVエンジンみたいなズドドドドと荒々しい音を出しつつ爆走する。この世紀末感は、まるで映画マッドマックスの『怒りのデスロード』。ハンドリングはどんな路面でも受け入れられるソフトなタッチで、サスペンションのストロークの長さを生かして、車体を傾け、揺らしながらコーナリングする。
オンロードでしか試せてないけれど、なんでもかんでも乗り越える気満々で、どうにも血の熱くなるクルマだね。唯我独尊ですよ。砂地、岩山知ったことじゃない。どこでも突き抜ける、ワイルド&タフな「オクタモード」の走りは、国内で比較できるライバルはまったく見当たらない。
2.6トンの巨体をフラットに曲げる、新世代サスペンション
ほとんどの高級メーカーのSUVは、この足まわりの“揺れるモーション&エモーション”をどうにか自社SUVのキャラクターに取り入れられないか苦心してる訳で、「オクタ」は市販車として最も手の込んだ技術とともに、経験豊かな筆致で「ヨンク、夢の走り」を描き切ったといえるはず。そう。足まわりの技術がひと味違うのよ。
それが6Dダイナミクスエアサスペンション。「オクタ」は、従来のアンチロールバーを廃止。油圧で全車輪を連結したトリプルバルブ式のセミアクティブダンパーが、ブレーキング時のピッチングもコーナリング時のロールも抑え込む。その結果、ダイナミクスモードでは2.6トンの巨体がフラットな姿勢のままに曲がり、「オクタモード」に入れると路面のあらゆる凹凸を飲み込みながら、前へ前へと突き進む。同じ足まわりが、オンとオフでまったく別の顔を見せる。この落差と完成度がとにかくすごい。
普段乗りもめちゃくちゃよいね。1世代前のレンジローバーぐらいのエアサスのしつけで、走り出した瞬間からホイップみたいな滑らかさに、思わず声が出る。高速走っていても、オフローダーならではの居心地の悪さ、走りにくさみたいなものも抑えられているし、ゴツすぎるオールテレーンタイヤ履いてる割に、静音性も申し分ない。
「オクタ」は間違いなく「これは」と思える一台なんだけど、悩ましいのは同じV8モデルでもジャガーランドローバー製の5L V8スーパーチャージャーも捨てがたいのよ。こちらはアンティークな品があって「オクタ」とは別物。世界の終末だって蹴散らす「オクタ」、ひとつの時代の終焉に付き合いたいスーチャのV8。どちらも「このままクルマれたい!」ってV8最高か。
ディフェンダー オクタ
全長×全幅×全高:4,940 × 2,065× 2,000㎜
エンジン:V型8気筒 ツインターボ
排気量:4,394cc
最高出力:635PS/6,000〜7,000rpm
最大トルク:750Nm/1,800〜5,855rpm
駆動方式:AWD(フロントエンジン4輪駆動)
最大渡河水深:1,000㎜
車両価格:¥21,900,000
ランドローバーコール
TEL:0120-18-5568
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