【ヤマハ最上位サウンドバー】ハイファイ級の高音質。「SR-X90A」はリビングの主役になる一台

  • 文:麻倉怜士
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〈サウンドバー〉
Yamaha Soundbar SR-X90A ヤマハ サウンドバー SR-X90A

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AVレシーバーや本格ホームシアターを手掛けてきたヤマハの技術とプライドが凝縮した一台。部屋に溶け込む壁掛け設置や、専用アプリでの操作にも対応。¥385,000(実勢価格)

サウンドバーを超えた〝スーパーサウンドバー〟が誕生した。サウンドバーとは低音質なテレビ音を代替するアンプ内蔵スピーカーだが、過度で空虚な迫力感とフェイクなサラウンドで、オーディ­オ的な観点では評価できなかった。

ところが、ヤマハの新製品、「SR-X90A」はどうだ。目をつぶれば、ハイファイのスピーカーとサブウーファーが鳴っているのかと錯覚するような、驚くほどの高音質。特に低域のスケール感、安定感が格別。こんな高品位な音がするサウンドバーは「史上初」と形容しても過言ではない。

ヤマハは「ヤマハサウンドバー史上最も良い音をつくる」との合い言葉の下、さまざまな新機軸に取り組んだ。一般的にサウンドバーの設計では、内蔵するスピーカーユニットは、中国メーカーから購入するものだが、ヤマハは自社で開発。テレビの前に置くものだから高さが確保できないので、ユニットは横長の楕円にならざるを得ない。普通の円形に比べると歪みが多く、音質的に期待できない。そこで、技術陣はどんな楕円形の形状が最も歪みが少ないのか、レスポンスが素速いのかを徹底的に研究し、新型の高性能ユニット「アイシェイプド・オーバル・スピーカー」の開発に成功。

単体サブウーファーには開口部の空気の流れを制御してノイズを抑える新技術を開発し、採用。このように、ヤマハの強みは音響の基礎技術から取り組めることだ。

上向きのユニットも搭載し、音をビーム状に放射して天井に反射させることで、ドルビーアトモスの立体音場を再現。音質のよさに加え、音場の拡がり、緻密さ、立体感も格別だ。特に中央定位感に優れ、映画もハイレゾ配信も得意。リビングにおけるオーディオビジュアルの新センターだ。

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同社が長年研究を続けてきたビームスピーカー技術を応用した。天面にある左右各6基のスピーカーが立体的な音場をつくり、映画やライブ映像への深い没入感を実現する。

麻倉 怜士

デジタルメディア評論家。デジタルシーン全般の動向を常に見据える。著書に『高音質保証! 麻倉式PCオーディオ』(アスキー新書)、『パナソニックの3D大戦略』(日経BP社)などがある。

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