〈アクティブスピーカー〉
KEF Coda W ケーイーエフ コーダ ダブリュー
上質な音、上質なデザインが魅力のアンプ内蔵スピーカーだ。世の中には大小多数のスピーカーが存在するが、音の質感のよさで白眉は、KEFの「Coda W」だ。
英国で高級スピーカーメーカーといったらKEF。1970年代のベストセラーが「Coda」だった。コンパクトで高性能、高コスパとして人気を博した。それを再解釈して最新技術を纏い、アンプを内蔵させたのが本製品だ。
「W」とはワイヤレスのこと。具体的にはブルートゥースだが、これに加えてHDMI 、ARC、アナログのライン、レコードプレーヤーをそのまま接続できるなど、有線入力も大変充実している。
なにより音が素晴らしい。脚色とは無縁の音で、スピーカー自身は透明な存在になり、音楽が持っている世界観をストレートに再生する。その秘密がKEFが誇る同軸スピーカー技術「Uni‐Q」だ。同一軸上にツイータとウーファーを配置し、実質的にひとつのユニットとして音を一点から再生。音に立体感が生まれ、聴く場所を選ばず、位相が正確だ。KEFは普及機からハイエンド機まで全スピーカーにこれを採用。Coda Wは第12世代を搭載する。
音の立ち上がりと収束が速く、細部まで明瞭で、質感のある音はまさにUni‐Qの表現力。特に素晴らしいのがレコードの音。アナログプレーヤーで、G・ショルティが指揮するシカゴ交響楽団「展覧会の絵」を聴いた。音色の優しさ、低音の雄渾さ、あるいは大音量の迫力を高い質感で聴かせてくれた。サブウーファーもないのに実に雄大。演奏のマッシブな熱量が再現されていた。
通常であれば単体アンプが必要だが、ソース機器とスピーカーだけで、これほどの高品位な音が得られるのが現代流だ。
麻倉 怜士
デジタルメディア評論家。デジタルシーン全般の動向を常に見据える。著書に『高音質保証! 麻倉式PCオーディオ』(アスキー新書)、『パナソニックの3D大戦略』(日経BP社)などがある。KEF Music Gallery
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