〈冷蔵庫〉
HITACHI HZC Type R-HZC62Y 日立 HZCタイプ R-HZC62Y
日立の冷蔵庫といえば2007年に登場した「真空チルド」を思い出す人も多いだろう。約0.8気圧の真空環境で鮮度を守り、扉を開けると〝プシュー〟と空気が流れ込むあの音が、技術の確かさを象徴していた。19年には冷蔵室の全段をチルドのように使える「まるごとチルド」へと軸足を移し、真空チルドは徐々に姿を消していったが、その存在感はいまも記憶に残っている。
その真空技術が、今回のHZCタイプに「真空氷温ルーム」として復活した。あの懐かしい音はそのままに、食品に冷気を直接当てない間接冷却、密閉構造、そして約マイナス1℃という氷点下から食品が凍り始めるまでの〝氷温環境〟を組み合わせ、酸化や変色を抑えて鮮度を長く保つ。密閉空間である故に冷気の流入を防ぎ、ラップなしでも乾燥しにくい。
鮮度を守る工夫は、急速冷凍できる「デリシャス冷凍」や、「霜ブロック」「新鮮スリープ野菜室」など、冷凍室や野菜室にも広がる。どれも設定不要で、置くだけで食材の状態を整えてくれる。
デザインもまた、機能だけでは語れない価値を提示している。水平垂直の端正なラインに、やわらかく光を受け止めるフロストガラス。陶器のような質感のナチュラルホワイトと、木の温もりと響き合うチャコールグレー。ガラスであることを忘れさせる落ち着きがあり、キッチンの空間に自然と溶け込みつつ、上質さを印象づける。ドアハンドルの指がかかる部分をなめらかな曲面にし、日常の動作をほんの少し心地よくさせる。
まるごとチルドの安心感に、真空氷温のプレミアム感が加わった。日立が積み重ねてきた技術の系譜がここに結実し、美しさとともにここにある。HZCタイプは別格の一台なのだ。
神原サリー
新聞社勤務を経て「家電コンシェルジュ」として独立。豊富な知識と取材をもとに独自視点で発信。東京・広尾の「家電アトリエ」をベースに、テレビ出演や執筆、コンサルティングなど広く活躍中。日立お客様相談センター
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