【アウディ新型Q3試乗】広い後席と軽快な走り。デザインも操作系も“進化”したよい出来栄え

  • 文:小川フミオ
  • 写真:Audi Japan
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アウディの新型コンパクトSUV「Q3」が、2026年5月に日本発売開始された。注目ポイントは、ふたつのボディスタイルと、数々のデジタル技術だ。

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19インチ(オプション)のロードホイールを履いた110kWの「Q3」。写真:筆者

Q3のデザインのよさは、言ってみれば“SUVの新解釈”。ボディサイズは抑えめで、それでいて室内も荷室もできるだけ広く取り、かつ、外観には上手にエモーションを盛り込んでいる。

もうひとつの特徴は、ふたつのボディスタイルだ。荷室の存在を強調した標準モデル(Q3)と、ハッチゲートを寝かせたスポーティなモデル(Q3スポーツバック)の2本立て。 

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「Sラインパッケージ」と「ダークアウディリングス」などのオプション装着の150kW「Q3スポーツバック」。写真:筆者

先代もこのラインナップは好評だったようで、今回の第3世代にも受け継がれている。

2011年の第1世代、18年の第2世代と続いてきたQ3。これまでに全世界で累計200万台が販売されてきた。 

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上下2分割されたリアコンビネーションランプなどが新型の外観上の特徴。写真:筆者

より力強く進化したエクステリア

今回の第3世代のエクステリアデザインは先代の延長線上。最新のデジタル技術との組合せで、”進化形”といったほうがいいかもしれない。

フロントマスクは、ライティングテクノロジーが搭載された薄型ヘッドランプユニットと、より大型化したグリルが目をひく。

グリルは面積は大きいが、ブラックアウトされ、さらに「ダークアウディリングス&ブラックスタイリングパッケージ」をオプションで選ぶと、4つの輪を組み合わせたエンブレムもブラックになる。 

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路面照射機能が認可されたLEDヘッドランプなど最新のデジタル技術も新型の特徴。

「ワイド&ローを強調した筋肉質なプロポーションで、SUVの力強さとクーペの優美さを融合させています」とアウディでは、Q3を説明する。

「なるほど」と今回の実車を見た人は納得するのではなかろうか。

2680mmのホイールベースを持つシャシーと、全長4530mmのボディの組合せ。取り回しがよい。同時に、室内空間の寸法採りであるパッケージングが上手で、室内は期待以上に広い。 

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質感の高い素材と色づかいはアウディの伝統ともいえ、新型では大きなモニターなどデジタル技術が加わっている。写真:筆者

コンパクトなのに、想像以上に広い後席

なかでも私が感心したのは、後席の居心地がよりよくなっている点だ。従来は後席の左右いずれかの側にからだを落ち着けると、寝かされたサイドウインドウが頭部に干渉してきた。

タンブルフォームといって、サイドウィンドウを寝かせて走行中の空気抵抗を低減するボディ形状は、アウディが長年フォルクスワーゲンとともに(たとえばゴルフⅠ!)採用してきたもの。 

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後席のデザインが見直され居住性が大きく向上している。

今回は後席空間のデザインが見直されていて、頭部にも広々感が生まれている。Q3もQ3スポーツバックも同様だ。

1.5Lと2.0L、走りで選べる2つのエンジン

パワートレインは2つ。1.5リッターで前輪駆動の「110kW」モデルと、2リッターでクワトロ4WDの「150kW」モデルが、2つのボディ形式に用意される。つまり選択肢は4モデル。

乗って感じる110kWの「Q3 advanced」というモデルのよさは“素直さ”。

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きびきびとした走行感覚がQ3の持ち味。

最大トルクが250Nとやや控え目なこともあり、エンジン回転が2500rpm以下だと、もう少しパワーが欲しくなる。

エンジンは気持ちよく回るので、ドライブしている自分が意識的に3000rpmまで回転を上げると、そこからぐぐっと力が湧いてくる。

そのあたりの回転を維持して走ると、しっかり踏ん張る足まわりとダイレクトなフィーリングのステアリングでもって、いいクルマだなあと感心させられる。 

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今回はすべてのモデルに、2バルブ式の電子制御ダンパーが標準装備されたことで、しっかりした走行感覚が強調されているのだろう。

もし快適性重視でQ3を選ぼうというなら、「advanced」で18インチのロードホイール装着のベースグレードがいいのでは? という意見もあることを付記しておこう。

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Q3スポーツバックは小さめなキャビンがスポーティな雰囲気を強調(ただし荷室容量はQ3と同じ)。

「150kW」の2リッターエンジンは、クワトロシステムとも相性がよい。日本では人気が高いというスポーツバックでこのドライブトレインを選ぶと、ひとつの理想的な組合せといえるかもしれない。

最大トルクは320Nmで、アクセルペダルを踏んだ時の応答性は良好。先の電子制御ダンパーを含めてサスペンションやステアリングとで、きびきびした感じが誠に好ましい。

デジタル技術で変わったコックピット

デザインでいうと、インテリアも、今回大きく変わった。特にダッシュボードだ。

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わかるひとはすぐアウディとわかるインテリアデザイン(写真のモデルはS-line)。

前席乗員を包み込むように軽く湾曲したソフトラップといわれるダッシュボードと、そこに組み合わされた「デジタルステージ」が特徴的だ。

デジタルステージとは、11.9インチの「バーチャルコクピットプラス」と、一体型のシェルに収められた12.8インチ「MMIタッチディスプレイ」との組合せ。

ドライバーの眼の前に大きなロードマップを映すこともできるし、ゲームなどサードパーティのアプリをダウンロードしてインストールすることも可能という。

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新型Q3シリーズにはステアリングコラムにシフターが設けられた。

ナビゲーションなどは「アンドロイドオート」で動いていて、目的地検索など早くて、しかも今回正確だった。

びっくりは変速用レバーとウインカーだ。前者は、ステアリングホイールのコラムから生えている。メルセデス・ベンツやBMWと近い操作感だ。

ウインカーは従来のようなレバーでなくなり、ワイパー作動用ダイヤル(これもユニーク)と同じシェルに収められている。

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ステアリングコラムの左がわにはウインカーとワイパー操作が一体化したレバーがある。

ここまでユニークなデザインだと、オーナーの喜びになること間違いない。

さらにマトリックスヘッドランプには、2万5600個におよぶマイクロLEDが採用されている。ナビゲーションと連動して、進むべき方向を指し示す矢印を路面に投影したりすると説明された。

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LEDを使ったコミュニネーションライトと輝くフォーリングスが印象的。

私もさっそくこの「レーンライト」を試してみるべく、首都高のトンネルを走ったが(この2つの条件はマストだとか)、このときは作動しなかった。

周囲の交通への影響も考慮して、交通量が多いと車両が判断するとシステムが作動しないとか。加えて、照明が明るすぎる時も、システムは休止しているそうだ。

「デジタルマトリックスLEDヘッドランプ」は、150kWモデルに標準装備で、110kWモデルではオプションだ。 

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後席シートは左右ともすこしスライドするので荷室容量は通常の488リッターから575リッターまで拡大できる。

ラインナップは次のとおり。標準ボディ「Q3 TFSI 110kW aovanced」は550万円、「Q3 TFSI quattro 150kW advanced」は607万円。「Q3スポーツバック TFSI 110kW aovanced」は571万円、「Q3 スポーツバック TFSI quattro 150kW advanced」は628万円。

Audi Q3 TFSI 110kW aovanced
※()はスポーツバック TFSI quattro 150kW advanced

全長×全幅×全高:4530×1860×1610(1570)mm
ホイールベース:2680mm
車重:1610(1700)kg
1497cc 4気筒マイルドハイブリッド 前輪駆動(1984cc 4気筒 4WD)
最高出力:110kW@5000〜6000rpm(150kW@4500から6000rpm)
最大トルク:250Nm@1500〜3500Nm(320Nm@1500〜4400rpm)
乗車定員:5名
燃費:15.6(12.1)km@l(WLTC)
価格:550(628)万円
https://www.audi.co.jp/ja/ 

小川フミオ

モータージャーナリスト

自動車を中心に活躍するジャーナリスト/ライター。自動車誌やグルメ誌の編集長を務めた後、フリーランスとして活動。新車の試乗記をはじめ、グルメ、ホテル、人物インタビューなど、多岐にわたるジャンルの記事を独自の視点で執筆し、雑誌やウェブメディアを中心に寄稿している。

小川フミオ

モータージャーナリスト

自動車を中心に活躍するジャーナリスト/ライター。自動車誌やグルメ誌の編集長を務めた後、フリーランスとして活動。新車の試乗記をはじめ、グルメ、ホテル、人物インタビューなど、多岐にわたるジャンルの記事を独自の視点で執筆し、雑誌やウェブメディアを中心に寄稿している。